元町の商人(あきんど)をじゅずつなぎ方式で知人の商人を紹介しています。
お店のコンセプトからお話下さい。
「スポーツ用品のミズノ直営の、ウオーキング関連商品の専門店で、NPO法人オーソティックスソサエティー・フットケアトレーナー有資格者が2名常駐しています。足型・足圧を測定して動きやクセに合ったシューズとインソール(中敷き)のご提案と、製作をする「インソール工房」を設置しています。お客様の足や靴選びに関する悩みを解消する、お手伝いをするのが役目です」
生きていくうえで、歩くという行為は、とても大切ですね。ところで、足に悩みを持つ現代人は多い?
「本当に多いですね。ハイヒールを履き続けている人や、男性でも、足に合わない靴を履いている人。案外、ラクだからと言って、大きめの靴をいつも履いている人も多いです。膝や腰痛の原因が足のトラブルというケースは、案外多いのです」
高齢化社会の中で、ますます重要性が増してくる分野でしょう。
「そうです。今後当店が果たす社会的役割は、確実に高まってくると予想し、アンテナショップ兼販促活動という役目も担っています。ただ、あくまで医療行為ではありませんから、お客様に同意していただいてます」
ところで、どのように診断するのですか。
「お客様がお悩みの点や要望をヒヤリングした後、店内に設置している計測器に立っていただき、足底にかかる圧力の分布を見て状態を分析することで、足の障害やクセを知ることができます。そして実際歩いていただいて、その方の動きやクセを確認し、最適なシューズをご提案します。インソールは、計測した足データをもとに、数種の製品の中から『既製インソール』をご提案します。さらに、補正が必要な方には、補助パーツを1つ加えた『クイック加工インソール』や、足に合わせてオーダーメードする『カスタムインソール』をご提案・製作いたします」
足にトラブルを抱えている人なら、そうして選んでいただいた大切な一足を、アウトドアだけでなく、ビジネスや休みの日にも履いていたいと願いますよね。
「その通りです。だからウオーキングや山登りの靴だけでなく、ビジネスシューズやお洒落履きも欲しいという声は非常に多く、ミズノでは徐々に品揃えを増やし、当店でも人気が高まっています」
「お洒落は足下から」と言いますよね。靴はファッションのポイントです。
「ミズノ直営店だけに、スポーツシューズは得意ですが、普段履きの靴の品揃えはスポーツシューズほどまだ多くはありませんが、徐々に増やしている現状です。特に女性靴はファッション性が重視され、本当に難しい。将来的に、機能性とファッション性を両立させ、しかも幅広い生活シーンに合わせた、品揃えができるように進めています。昨今のシニア層はお洒落な方が多いですから。当店では目下、アウトドアグッズや機能性アンダーウエアなど、靴以外の商品も扱っていますが、それこそシューズ専門店となるくらいに揃えば良いですね」
間違いなく拡大するマーケットですから、可能性は高いですね。ところで、アフターケアは。
「もちろん大切です。購入時に履き方をアドバイスするほか、トラブルが生じた場合などにはきめ細かく対応し、万全なアフターケアを行っています」
リピートにつながる。
「7月4日のオープンから約半年経過しましたが、無料の足裏チェックも行っており、お客様が徐々に増えて、リピーターになっていただいています。今後口コミで広がっていくことを願っています」
ミズノさんでは、同じコンセプトのお店を多店舗展開しておられるのですか。
「2006年に第一号店を大阪の『なんばウオーク』内にオープンし、現在全国に10店展開しています。兵庫県では芦屋店に続き第2店目です」
最後になりますが、山本さんにとって元町らしさとは。
「靴の街・神戸で歴史のある商店街だけに、確かに靴にこだわりを持つ人は多いですが、足の健康となると認知度はまだまだと感じます。最近、足型・足底の測定器を設置する店は増えてきましたが、歩く動作を確認する店はミズノ以外少ないですから、情報発信拠点として啓発活動という役割も担っていかなくてはなりません。とにかく、食や医療の分野では世界トップレベルの日本ですが、靴に関しては遅れています。足の健康が、寝たきりにならないための大きな鍵を握ります。足寿命と健康寿命が同一となり、みなさんが元気に歩き、健康な老後を送れることを願っています。」(2014.12)