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「商鑑」とは造語です。「あきないかがみ」と読みます。「商(あきない)」とは商売で、「鑑(かがみ)」とは鑑(かんが)みる、すなわち考えることなので、「商鑑」とは商売を考えるという意味です。三木 久雄さんが「鏡」に映して歴史を考えるという趣旨で掲載しています。

第21話 親父も昔はコワかった

第21話 親父も昔はコワかった

1188-01.jpg 「地震、雷、火事、親父」。コワいものの、其の一、其の二、其の三、其の四、でしたが、今や、親父は、コワくない?

 日本が家族主義社会になったのは、定住型水稲耕作社会であったからですが、家族主義は、家族という親族集団を、家長を権威の頂点に頂く身分秩序として構築するものです。家族という血縁集団の基本原理である家族主義が、日本社会では無辺際に拡大し、組織集団の基本原理に拡張して行ったのです。プロ球団の監督が「親分」と呼ばれ、町工場の社長が「親父」と呼ばれ、大工の棟梁が「親方」と呼ばれるのも、家族主義の基本原理によって、すべての組織集団が家族という血縁集団に擬せられるからです。
 家族主義が、日本社会の基本原理であったことは、遠い昔の話ではありません。超近代の大企業が、親会社、子会社、という呼び方を、何の違和感も無く常用している現状は、家族主義が過去の遺物ではないことの何よりの証拠です。何気なく使っている言葉にこそ、ことの本質が表れるのです。
 問題は、日本社会の基本原理である家族主義が、是か、非か、です。家族主義が日本社会の基本原理であったことは、日本の歴史、風土に適合していたことに他なりません。そういう意味で、是であった。しかし、歴史は変わる、変わらねばならないとするなら、家族主義を基本原理とすることも変わらねばならないのかもしれません。
三木 久雄
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