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「商鑑」とは造語です。「あきないかがみ」と読みます。「商(あきない)」とは商売で、「鑑(かがみ)」とは鑑(かんが)みる、すなわち考えることなので、「商鑑」とは商売を考えるという意味です。三木 久雄さんが「鏡」に映して歴史を考えるという趣旨で掲載しています。

第31話 大河は文明の母

第31話 大河は文明の母

1242.jpg そもそも文明とはナンゾヤという大問題がありますが、それはさておき学生時代、世界史で教えられた世界四大文明は黄河文明、インダス文明、メソポタミア文明、エジプト文明でした。

 世界最古の文明は黄河文明、インダス文明、メソポタミア文明、エジプト文明とされています。黄河文明は黄河、インダス文明はインダス川、メソポタミア文明はチグリスユーフラテス川、エジプト文明はナイル川の流域に誕生しました。世界四大文明に共通するのは大河の流域に発達したことですが、その理由は食糧となる作物の栽培に水が不可欠だからです。古代にあって水の供給源として河川は最も重要だったのです。
 大河は食物栽培に不可欠な水を供給するだけではなく、その氾濫によって土地に養分をもたらします。しかし河川の氾濫は折角の収穫を台無しにするので、食物栽培に有益であるように河川を管理することが重要になります。食物栽培の水利として河川を活用するためには堤防、灌漑設備の設置などの治水工事が必要で、大規模工事であるがゆえに、その実行には巨大な権力の強制がなければ不可能です。その結果、河川の管理が強大な支配権力を生み、巨大な独裁専制国家が誕生したのです。  紀元前、アジア、アフリカに誕生した文明がすべて独裁専制国家であったのに比較して、ヨーロッパに誕生したギリシャ文明が民主制であり、ローマ文明が共和制であったことは顕著な相違です。ギリシャ文明もローマ文明も大河の流域に位置していなかったこと、治水が文明の死活問題にならなかったことが理由ではないかと思われるのです。
三木 久雄
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