神戸元町商店街 KOBE MOTOMACHI SHOPPING STREET

神戸元町商店街 KOBE MOTOMACHI SHOPPING STREET

MOTOMACHI MAGAZINE MOTOMACHI MAGAZINE 元町マガジン

「商鑑」とは造語です。「あきないかがみ」と読みます。「商(あきない)」とは商売で、「鑑(かがみ)」とは鑑(かんが)みる、すなわち考えることなので、「商鑑」とは商売を考えるという意味です。三木 久雄さんが「鏡」に映して歴史を考えるという趣旨で掲載しています。

第40話 物々交換の始まり

第40話 物々交換の始まり

1299.jpg 食事の時、食べ残すと、「勿体無いことをする」と叱られました。食べ物は、食べてこそ身になるのです。食べ残したら、残飯、唯のゴミと化すのです。

 人類が生命の維持に重要な「衣食住」を「生産」するようになったことは、人類にとって「価値」あるものを「創造」することができるようになったことに他なりません。食糧の「生産」が始まると、生命の維持に必要最小限な食糧を超えた生産が可能になり、余剰生産物が生まれるようになりました。在るものを消費する段階から、消費した後に残るものが生まれる段階に達したのです。余剰生産物は「衣食住」すべての「生産」の中からも生まれるようになりました。余剰生産物は、必要最小限を越えた残存物ですので、そのまま残存しても「価値」を生みません。人類は余剰生産物からも「価値」を生み出すために、余剰生産物を相互に物々交換し不足分を補完することによって新たな「価値」を「創造」することを始めました。
 人類が進化し続けたのは「価値」を「創造」することができたからですが、「生産」された「価値」、すなわち「生産価値」は「使用」されなければ本来の「価値」を生みません。生産物が使用に供されるために使用者の元に届かねばならないのです。生産物が使用者に使用されることによって初めて、「生産価値」は「使用価値」として「価値実現」するのです。そのために必要なのが「流通」です。生産物が使用者の元に「流通」しなければ「価値実現」しないのです。「流通」が「価値実現」に不可欠であるが故に、「流通」もまた「交換価値」を「創造」する重要な行為なのです。
三木 久雄
PCサイトを見る スマホサイトへ戻る