神戸元町商店街 KOBE MOTOMACHI SHOPPING STREET

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活気のある街は女性が輝いている!
ピチピチ看板娘、頼れる女将さん、お店の顔のおばあちゃん、商店街を支える魅力的な彼女たちをクローズアップした笑あり涙ありのハートフルストーリーです。
今月は、3丁目「株式会社カミネ商事元町本店」伊賀 佳代子さんをインタビューしました。

3丁目「株式会社カミネ商事 元町本店」伊賀 佳代子さん

3丁目「株式会社カミネ商事 元町本店」伊賀 佳代子さん

こちらのお店はいつオープンされたんですか?

昨年の10月にオープンしました。創業は108年になりまして元町店は7店舗目になりますが、旗艦店ということで本店と付けさせていただいております。もともと地域密着型の店舗が多いので、繁華街に出店したのは元町店が初めてです。

オープン前、伊賀さんはどちらの店舗で勤務されていらしたのですか?元町商店街と比較していかがですか?

私は、板宿の店舗で勤務していました。そうですね...元町店は前店舗とは全然違います。通行量も違いますし、客層も全く違います。やはり繁華街というのは、賑やかですね。旅行の方や海外の方もたくさんお見受けいたします。

お客様の入店数は増えるけれども、郊外の店舗に比べると回遊される方が多いですか?

それは、どの店舗もさほど変わりはないです。やはり扱っている商品が高額商品になりますので、なかなか一見さんで即購入という方は、今のご時世ほとんどおられません。バブル時代なら、そういう方もいらっしゃったかと思うのですが(笑)

たしかに、ウィンドウショッピングを楽しみながら「ついでにダイヤモンドでも買おう!」となる人はそうそういないですよね。

お買い物されなくても美しい物を目で見て楽しむことも、すごく素敵なことなので、お客様が入店しやすいように、宝石店だからと言って敷居ばかりが高くならないように、店頭にはお買い求め安いお値段の商品も展開させていただいおります。女性って、ほんのささやかな可愛らしい雑貨でも幸せになれたりしますものね。

伊賀さんにとって元町はどういった印象ですか?

生まれは京都なのですが、ほとんど神戸元町で育ちました。この商店街のすぐ近くに実家がありまして、両親が商売を営んでおりました。ですから、結婚するまでは、ずっと元町で暮らしておりました。やはり縁があるのかなぁと感じております。この辺りは、幼少の頃から遊び場でした。久しぶりに訪れてみて、雰囲気はガラリと変わっておりますけどね。

どのような印象を受けられましたか?

良いお店が減ったなぁという印象はあります。たしかに、自分が暮らしていた頃からずいぶんと時を経ておりますので、変化することは当然です。ただ「昔ながらの老舗」というのは少なくなったなぁと感じました。ただ、それが悪いとか良いとかではなく、時代の流れに沿っていることなんだと思います。また新しい元町本通りという感じで、それはそれで若い人達が来やすくなったりもして、良いことなんだと思います。

伊賀さんはこの業界は長くお勤めなのですか?このお仕事で大事にされていることはありますか?

宝石のお仕事は約12年ほどです。一番大事にしていることは、人と人とのコミュニケーションです。その間に商品が介在するだけのことであって、商品が重要ではないと考えております。私が元町店へ異動することにより、板宿や他の店舗から元町店へ足を運んでくださるお客様もいらっしゃいます。このお仕事冥利につきる有り難いことです。その延長線上にお買い上げがあれば、なお嬉しいですが、やはりお店にご来店いただくことが何よりも先決。ご来店いただかないことには、何も生まれません。とくにこの元町店は、本当に競合店がたくさんありますのでシビアだと思います。他の宝石店様と比較して、カミネは何が違うのか?ということが不可欠になってくると思います。

カミネさんが他社との差別化として接客に取り入れていることはありますか?

通常、お店でのお声がけ第一声は「いらっしゃいませ」という店舗が大半だと思うのですが、弊社は「こんにちは」とお声がけいたします。そして、全てのお客様に対して、椅子に腰をかけていただき、必ずお茶を召し上がっていただくようにしています。それは元町店に限らず、カミネ全店舗で実施させていただいております。やはり宝石店となるとお客様も構えていらっしゃる方が多いですので、リラックスしてお買い物を楽しんでいただくために、また私達スタッフを信頼していただき、距離感を縮めるという気持ちも込めまして、そのようにご対応させていただいております。宝石をお買い物される時は、非日常の空間を楽しんでいただきたいと考えています。楽しく、ウキウキとした気分になっていただけることが何よりも大切だと思います。「宝石を買いに行こう!」というよりも先に「あの販売員とお話したい」「あのお店の雰囲気が良かったから、また行きたい」と感じていただけることが大切。それはカミネ全店舗に共通していることなので、長田店の顧客様が、元町へいらしたついでにお立ち寄りくださることも多いです。割とみなさん、グルグル店舗を回遊してくださっています。だから私達が知らない他店舗の情報を顧客様がご存知だったりすることも多々あります。家族みたいな感じなんです(笑)そういったお客様が、また新たなお客様をご紹介してくださったりもしますしね。やはりご紹介いただく際にも、108年という歴史があること、スリランカに自社鉱山を所有しており、「世界ふしぎ発見」というテレビ番組で紹介していただいたことなども信頼していただく要素の1つにはなっていると思います。

スリランカに自社鉱山ですか...すごいですね。

スリランカというのは世界でも有数の色石の産地です。弊社は自社鉱山で掘り起こした色石を自社工場で磨き商品へと加工していくので、完全オリジナルでございます。もちろん、他のデザイナーブランドも取り扱っておりますが、やはり原石から自社で生産するということは強みであると自負しております。

とてもはつらつとされているのですが、お仕事をされていて悩まれたことはありますか?

もちろん、悩みは尽きません(笑)一番難しいのは人間関係ですね。スタッフ同士の人間関係が一番難しい。一緒に働くスタッフ間の関係がスムーズでないと、やはり接客にも影響を及ぼしますし、お客様にも伝わります。基本は「ウキウキワクワク生きる」ということが大切なんです。嫌なことが起こってもマイナスにばかり考えるのではなく、プラスの部分を見つけて発想の転換が大切。それと感謝。日々、いろいろなことに対しての感謝の気持ちを忘れないということは鉄則だと思います。

人数が多いとスタッフの教育などもご苦労されるでしょうね。

伝えていくことはすごく難しいですね。「伝える」と「伝わる」は似ているようで異なります。「伝える」というのは一方的だし、じゃあどうしたら「伝わる」のか?そういうことを考えた時、言葉であれやこれやと言うよりも、「自分が見本になること」これが一番の近道だと思います。言葉で伝える時は、「はい、わかりました」と誰でも返事をします。本人も理解したつもりだと思うんですが、じゃあ実際に行動にうつせるか?となると、なかなか出来ないことが多いんです。だからこそ、自分が見本となって行動する、伝えたい時には、これが一番の近道だということを、私も部下を持つようになって学びました。また、「井の中の蛙大海を知らず」という言葉の通り、やはり自分達だけで解決したり、進んでいくことは、時に危険なこともございます。ですので、私達は他店舗間の交流や他社さんとの企業交流を頻繁に実施しております。だからこそ、日々本当に勉強ですし、家族やスタッフ、お客様に支えられてこその自分だと思います。プライベートの夢は世界一周です! 仕事に於いてもやりたいことは山積みです。時には立ち止まって自分を振り返ることも大切ですが、基本的にはプラス思考、毎日笑顔でウキウキワクワクして生きていきたいですね!

本当に魅力的でイキイキと輝く伊賀さん。繊細さとパワフルさを備え持つ素敵な女性店長さんでした。ありがとうございました。

(2013.08)

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