活気のある街は女性が輝いている!
ピチピチ看板娘、頼れる女将さん、お店の顔のおばあちゃん、商店街を支える魅力的な彼女たちをクローズアップした笑あり涙ありのハートフルストーリーです。
今月は、1番街「ABC鞄店」大西 元子さんをインタビューしました。
お店はいつ頃から手伝われているのですか?
約8年ほどです。私の曾祖父の時代から始めている商売ですので、店の歴史としては非常に長いです。私が4代目になりますが、3代目の父もまだ現役で頑張ってくれております。
親子でお店を運営されるというのは、素敵なことですね。
いえいえ...良いことばかりではないですよ~(笑)
そうですか。では手伝われるようになったきっかけは?
以前、手伝ってくれていた従業員の方が引退されて、当初は母が手伝っていたり、妹が入ったりしているうちに、私が入ることになりました。家族みんなで頑張ろうという感じでしたね。父も母も高齢ですので、支えていかなければいけないですしね。
それまでは接客業などはされていたのですか?
いえ、最初は、短大を卒業してすぐは販売業をしていたのですが、その後はOLとして事務業をしておりました。もともと接客業というか人と会話することは好きなので、全くブランクも感じませんでした。
お店を手伝われていかがですか?
商店街の雰囲気も昔と比べて変わりましたし、お客様の年齢層も高くなっていることに最初は戸惑いも感じましたが、だんだん慣れていき、今ではとても楽しくお仕事させていただいております。顧客様のお顔などはすっかり覚えましたしね。父は私のことを娘です、というふうにお客様に紹介などしないタイプなので、お客様も私が娘であることを知らずに、何年か経ってから「あら?娘さんだったの?」と驚かれる方が多いです。そこは父としてけじめというか、線引きがあるんだと思います。
ご自分が手伝われるようになって、当時のお母様のご苦労なども感じられましたか?
きっと昔の方が大変だったと思います。今は別の場所で暮らしていますが、私が子供の頃は、店舗と家が同じでしたので、それこそ、母は12月31日深夜まで店と家事と育児に追われていたように思います。従業員さんもいてましたので、お雑煮やおせちなども用意していました。私達は、店を1歩出れば切り替えができますが、母はずっと店のこと、家のこと、同時にしていたので大変だったと思います。私には、真似できません(笑)
お父様と一緒に店を運営するというのは、いかがですか?
まだまだ私は、父に認められていないのが現実です(笑)ディスプレイなども全部父が考えて行います。最近やっと、少しだけ私もさせてもらえるようになったのですが、最初は動かしたら変えられる、動かしたら変えられるの繰り返しでした。父は自分のポリシーが強い人なので、コレと思ったらコレ、という人です。商売人としては大切なことですが、たまに頑固だなぁと思います。
では、お父様を陰からサポートという立場ですね
サポートできているかわかりませんが、仕入れなどは父と同行し、私が帳面をつけたりしています。1度の仕入れで20社ほどうかがうので、最初の頃は、まずお取引先企業の所在地を覚えるだけでも苦労しました。最近、ようやく私が選ぶアイテムも仕入れてもらえるようになりました。父は鞄のディテールや皮革素材について知識が深く、娘でも脱帽してしまうほどなので、そこは勉強させていただいております。ただ、女性用のバッグがメインですので、やはり女性の視点から感じた使いやすさ、軽さ、デザインなどは、私の意見も取り入れてもらえているようです。父からすれば参考程度という感じだと思いますが(笑)
お店を手伝われていて良かったことなどはありますか?
お客様に「この前いただいたバッグ、とても使いやすい」など直接感想などをお話していただけると、嬉しいですね。だんだん顔を覚えてくださって、気軽に話しかけてくださったり、お買い物途中に立ち寄ってバッグの感想を言ってくださったり...些細なことかもしれませんが、商売冥利につきると思います。
今後、元町商店街に期待されることはありますか?
まずは、自分のお商売をきちんとしてから、ですね。時代と上手くリンクしながら、もう少し入りやすいお店作り、雰囲気や商材含めて、若い人達にもお買い物していただけるということが課題です。商店街は、年に何回か大きなイベントも開催し、活気があるので、これからもさまざまな企画をして盛り上げていきたいですね。
ありがとうございました。
(2014.02)