神戸元町商店街 KOBE MOTOMACHI SHOPPING STREET

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MOTOMACHI MAGAZINE MOTOMACHI MAGAZINE 元町マガジン

この企画は、かつての西国街道が「元町通」(明治7年)となり、商店街となった大正末期・昭和初期から、アーケードが完成する昭和28年までの「元町通」を紹介するコーナーです。

第32話 大丸呉服店

第32話 大丸呉服店

大丸が4丁目にあった当時の話です。京都発祥の「大丸呉服店」が元町に進出したのは明治41年(1908)の6月のことで、4丁目浜側にあった吉本食料品店・土井雑貨店の跡地約90坪の土地に木骨コンクリート造2階建ての元町店をオープンしました。従来の呉服専業を脱して雑貨品も扱い、開店時には35人の店員が筒袖・紬の着物姿で客を出迎えました。床はゴザ敷きで履物を脱いで入店した店には1階・2階の各所に陳列箱が置かれ、中央の入口の左右にはショーウィンドウ、店舗中央は太陽光を取り入れた吹き抜けで、また日本式の休憩室、洋風の休憩室があって評判を呼びました。店舗は元町通の賑わいと共に繁盛を続け、増床を繰り返すもそれも手狭になりました。やがて昭和2年(1927)4月に地下に食料品を置いた本格的なデパートメントストアとして現在地に移転、開店初日には2万5千人が押し寄せたそうで、20年あった元の本通りの建物は「大丸食堂」となりました。
安井裕二郎
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