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昔の元町通
第9話 元町通の写真館(1) 「神戸の初期写真史」
この企画は、かつての西国街道が「元町通」(明治7年)となり、商店街となった大正末期・昭和初期から、アーケードが完成する昭和28年までの「元町通」を紹介するコーナーです。
第9話 元町通の写真館(1) 「神戸の初期写真史」
2008/11/01
昔の元町通
日本初の写真館は、横浜開港の翌1860年にアメリカ人雑貨商フリーマンが横浜居留地の一室で開いた写真室。フリーマンから写真機を入手した茨城出身の鵜飼玉川(うがいぎょくせん)が翌1861年に江戸にて写場(しゃじょう)を開いたのが日本人経営初の営業写真館でした。翌1862年には横浜にいた桜田久之助(後の下岡蓮杖)が同地に写場を開き、長崎では上野彦馬も「上野撮影局」を開業、その後、「上野撮影局の小先生(彦馬の弟)」こと上野左次馬(後の上野幸馬)が、兄の直弟子の内田九一(くいち)を伴って東行の写真営業を敢行し、同門の守田来三も後を追い、「池田屋事件」直後の第一次長州征伐(1864年)で幕軍兵が多く集結していた「兵庫」の市街に足を踏み入れたのが『神戸の写真史の始まり』で、西国街道筋の今の元町通にも足を踏み入れたと思われます。翌1865年には内田九一・守田来三は大坂入りして写場を開き、『大阪の写真史』が始まりました。その後、神戸港が開港すると、上陸した外国人から写真機を譲り受けた森川為助が花隈村で「神戸初の写真館」を開業、西国街道筋の神戸町役場(今の3丁目にあった)に兵庫県の「外国事務局」が設置されると、出仕した若き伊藤俊輔(博文)が住んだ橋本藤左衛門(二ツ茶屋村名主)の花隈別邸(後の吟松亭)に出入りしたかの写真師・守田来三が、伊藤がかつての密航先イギリスから持ち帰った写真機を譲り受け、明治2年(1869年)に西本町(今の5丁目界隈の当時の通称)に写場を開設、居留地隣接の鯉川筋でも大阪から来た写真師・横田朴齋が写場を開いたのが「元町最初の写真館」。新設された「福原遊廓」(今のハーバーランドにあった旧福原遊廓)では、上野左次馬(上野幸馬)が天幕張りの写場を開き、遊客・遊女を上客にした写真館は大繁盛しました。
(花隈の橋本別邸の庭先で守田来三が撮影した初代兵庫県知事・伊藤博文らの集合写真が有名ですが、写真現物は所在不明となっています)
安井裕二郎
2011年
第36話 続・元町喫茶店史―4軒のカフェー
第35話 元町喫茶店史―「三星堂ソーダファウンテン」
第34話 元町食べ物史(和洋菓子史を中心に)
第33話 洋服店
第32話 大丸呉服店
第31話 呉服店
2010年
第30話 すずらん灯
第29話 ガス燈と瓦斯館
第28話 西洋ランプ
第27話 鯉川筋
第26話 絵葉書店
第25話 郵便役所
第24話 せいもん払い
第23話 両替店
第22話 西の関門
第21話 為替会社
2009年
第20話 元町通の出版・書店史(2) 「キリスト教書店」
第19話 元町通の出版・書店史(1) 「絵草紙屋」の多田屋巻
第18話 元町通の写真機店 戦後の巻
第17話 元町通の写真店 「大丸写真室」
第16話 元町通の写真機店(4) 「本庄商会」
第15話 元町通の写真機店(3) 「安井写真機店」
第14話 元町通の写真機店(2) 「安井写真機店」
第13話 元町通の写真機店(1) 「赤壁商店」
第12話 元町通の写真館(4) 長崎の為政写真館と「為政堂」
第11話 元町通の写真館(3) 「続・市田写真館と平村写真館」
2008年
第10話 元町通の写真館(2) 「市田写真館と平村写真館」
第9話 元町通の写真館(1) 「神戸の初期写真史」
第8話 骨董店編(3) 「珍産商会」
第7話 骨董店編(2) 「播新」
第6話 骨董店編(1) 「越後屋」
第5話 学校編(5)
第4話 学校編(4)
第3話 学校編(3)
第2話 学校編(2)
第1話 学校編(1)
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