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丸太や(1番街) 三木 久雄さんによる、「商鑑(あきないかがみ)全48話」に引き続きの連載です。「商道(あきないみち)」という言葉は、三木さんによる造語で、「商人道」という意味合いも、「商道徳」という意味合いもありますが、商売の方法、如何に商売するのか、という意味合いが込められています。

第5話 明日は我が身

第5話 明日は我が身

 私は常々、相手の身になって考える、ということが大事ではないかと思うのですが、商売の極意もその辺にあるような気がします。

明日は我が身

akinai_michi_05.jpg 「他人の不幸は鴨の味」というコトバを知った時、人間の業の深さみたいなものを知らされてゾッとしました。我が身に振り返って、確かにそうだ。人間なんて、なんと無慈悲な、残酷な存在なのだろう。何故そうなのか。他人の痛みは、ちっとも痛くないからです。しかし人間が人間である所以は、他者への共感力を与えられていること。「他人の不幸」を自分自身の痛みとして実感することは出来ないけれど、「他人の不幸」を「自分の不幸」として想像する能力を持っている。「明日は我が身」と想像できるから、「他人の不幸」を他人事として無視したり、冷笑したり出来ないのです。他者への共感力とは、平たく言うと「思いやり」です。「思いやり」とは、「思いをやる」こと。自分の「思い」を他人に「やる」、相手の身になって考えることなのです。この相手の立場に立って考える、ということが、実は商売でとても大切なのです。
 商売で一番大事なことは、「売れる」ことです。では「売れる」とはどういうことか。お客様が「買う」ことです。では「買う」とはどういうことか。欲しいモノを「買う」。欲しくないモノは「買わない」。お客様が欲しいモノがなくて「買わない」ことが「売れない」ことなのです。当たり前田のクラッカー。であるなら、「売れる」ためには、お客様が欲しいモノを商品として取り揃えなければなりません。そのためには先ず、お客様が今何を欲しいと思っておられるのかを知らねばならない。そして欲しいモノを商品として探さなければなりません。「売れる」ための第一歩は、お客様が何を求めておられるのかを、お客様の立場に立って考えることなのです。

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