神戸元町商店街 KOBE MOTOMACHI SHOPPING STREET

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活気のある街は女性が輝いている!
ピチピチ看板娘、頼れる女将さん、お店の顔のおばあちゃん、商店街を支える魅力的な彼女たちをクローズアップした笑あり涙ありのハートフルストーリーです。
今月は、三丁目「ブティック シャン」杉原千代子さんをインタビューしました。

三丁目「ブティック シャン」杉原 千代子さん

三丁目「ブティック シャン」杉原 千代子さん

三丁目のブティック「シャン」は、シンプルで、着心地の良さをコンセプトに、肩肘張らず毎日着ても飽きのこないファッションを提供している。女主人「杉原千代子」さんも、店の雰囲気にぴったりのナチュラル感が漂う方で、常に主婦感覚、お客様目線を貫くことで、この地にオープンして42年間の荒波を乗り越えてきた。

お商売を始めたきっかけは。

「私は明石出身で、両親は和菓子店を営む菓子職人でした。商売の家に生まれ育ったこともあり、結婚後何か商売をと、この店をオープンしました。元町を選んだのは、お洒落の街・神戸が大好きで、特に元町は、若い頃からなじみ深い街だったからです。独身時代の仕事のご縁で、当初は輸入の民芸・工芸品を販売していましたが、やはり外国製より日本製の方が高品質と思い、日本のメーカーによる婦人服を扱い始め、今では主流となっています」

「シャン」という店名もすてきですね。

「ドイツ語で"美人"の意味で、昔はおしゃれな人、ハイカラな人をそう呼んでいました。それで、エレガントで女性らしいイメージのお店にしたいと命名しました。何より、親しみやすく覚えやすい響きに魅力を感じてのことです」

名前がお店のコンセプトにつながった。

「そうですね。シンプルでさりげない、しかも長く愛し続けていただける、上質な大人のファッションを提供しています。とにかく、元町をぶらぶら歩いている人が、気軽に入って来れる店であり続けたい」

杉原さんのお人柄もあるのでは。

「私自身、子育て、家事をしながら商売を続けてきて、主婦感覚を大切にしています。そうすることでお客様の気持ちがよくわかる。世の中にはものが溢れ、買い控えでお客様の財布の紐が硬い中、何が何でも売るという姿勢を見せたら、逆にお客様は引いてしまわれる。そこでコミュニケーションを大切に、お客様の声に耳を傾け、共感し、じっくり説明することで、本当に気に入った商品を納得して買っていただく。そうすることでいつの間にか、常連のお客様が増えてきました」

商売していて一番嬉しいことは。

「お客様が購入された洋服を着て来店して下さる時や、『あの時買った服、皆さんにすてきだと言ってもらえるのよ』と報告して下さる時、さらに地方から観光で来られた方が、『さすが神戸、お洒落な店ね』と言って下さる時が一番嬉しい。それと、開店当時から来て頂いているお客様の中には、80代の方も多いですが、皆さんエレガントで可愛らしい、お洒落な方ばかりです。周囲に大きなお店良い店はたくさんありますが、そういう方々が『シャン』を選んで下さる。本当に嬉しい限りです。正直、経営面などで頭の痛い問題は、常に付きまといますが、この商売を続けてきて良かったと、しみじみ思います」

接客で心がけておられることは。

「常に笑顔を絶やさないこと。さらに、あくまでお客様が主役ですから、私自身は引き立て役として、控え目なファッションを心がけています。それと、お客様にできるだけくつろいで頂けるよう、店内には季節の花や緑を置いて、季節ごとのお茶をお出ししています」

元町という立地条件もプラスに働いていますか。

「三丁目という商店街の真ん中にあって、すてきなお店に囲まれて商売してきました。それこそ、ウインドーショッピングだけでも十分に楽しめる街でした。ただ最近は老舗が減って、全国チェーンのお店が増えてきて、元町の良さが薄らいでいるようで残念でなりません。もっとお洒落で個性のあるお店が、どんどん出店してほしいですね」

元町も時代の波に晒され、大きく変化している。

「かつて元町周辺には、オフィスがたくさんあって、OLの若い女性がたくさん歩いていましたが、震災後一気に減りました。ただ最近、商店街周辺にタワーマンションが建って、住む街としての顔も持つようになってきました。ただ難点は、食品を購入するスーパーがないこと。三宮駅周辺にはたくさんあって、お客様は重い荷物を抱えて来られます。小規模でも良いから、こだわった商品が並ぶ食品スーパーでもあれば、お客様の流れが変わるのではないでしょうか」

同感です。最後に杉原さんの今後の夢を教えて下さい。

「娘がファッションが大好きで、数年前から手伝ってくれています。若い感覚でお客様に着こなし方法などをアドバイスしますが、これがとても喜ばれています。彼女のことを考えると、今は常連のお客様が中心ですが、積極的な打ち出しも必要になってくる。現に最近、若いお客様も増えてきた。それと今後、小物類も充実させたいですね。それで、人気が高まっている播州織りストールを、販売しています。服を買い換えるのではなく、小物類で雰囲気を変えるのが、最近のファッションの流れです。それで、ストールを付ける方がずいぶん増えてきているように思えます」

ありがとうございました。

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