神戸元町商店街 KOBE MOTOMACHI SHOPPING STREET

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元町の商人(あきんど)をじゅずつなぎ方式で知人の商人を紹介しています。

1番街「ハーランソン」 チュウ ビンフィンさん

1番街「ハーランソン」 チュウ ビンフィンさん

オープンされたのはいつ頃ですか?

今年で約14年目になります。元々は南京町で屋台からスタートしました。10年目を迎えたときに、頑張った証として、この店をリニューアルすることになりました。それまでは、父や母の古き良き時代の雰囲気だったのですが、10年目を機に、今までよく頑張ったということで、私に全部任せてくれることになったんです。そこで、屋号も内装も全て私好みに変えました。

ハーランソンって、どういう意味なのですか?

ハーは、私の母の名前です。ランソンは、生まれた地名です。意味としては「故郷(ふるさと)」のような意味を込めています。日本にいても、故郷を忘れないように、という意味を込めて名付けました。

日本に来られたきっかけは何ですか?

私達は、ベトナム戦争時代に難民として日本にやって来ました。戦争から逃げるために、小さな小さな船に乗り、ボートピープルで来たんです。だから、一銭もお金が無い状態からスタートしました。それは、それは、本当に大変でした。父も母も、ゼロの状態から、毎日毎日、一生懸命働いてました。小さな頃から、父が何か買い物をしているのも、友人と遊びに出かけているのも見たことがありません。ただ、ひたすら働いていました。
そのかわり、母といつも一緒でした。2人は、いつも支え合っていて、一緒に歩いていました。その母が、昨年の暮れに他界し、父は、相当ショックを受けていました。
うちは、母が頑張ってたというのが大きくて、もちろん父も頑張ってはおりますが、母の存在が非常に大きかったんですね。そのリーダーシップの母が亡くなると、父もやはりショックが大きくて...。亡くなった直後は、父はどうなるものか...と不安でした。
しかし、少しずつ父も元気を取り戻しつつあります。それは、やっぱりお客さんの存在が大きいようです。娘の私達と話すのと、やっぱりお客さんと話すのでは、得られるパワーが違うのでしょうね...それでだいぶ父も元気を取り戻してきました。

お母様の存在は、本当に大きかったんですね...。

母が亡くなってから急激に、父のファンというか、リピーターが増えたんです。父は、中国の楽器「二胡」が好きで趣味でよく弾いています。趣味なので、たいして上手ではないのですが、なかなか披露する場所というのは少なくて...。
で、ある日、お客様の前で弾かせていただいたんです。そうしたら、そのお客様がすごく喜んで感動してくださいました。
父の二胡に感動したから、また予約をしてくださるという父のファンというか...父へのリピーターが少しずつ増えてきています。それが、父の心の張り合いになっています。母のことで元気をなくしていた父に笑顔が戻ってきたので、「あぁ、やっぱりお客様の力ってすごいなぁ」と感じています。
それまでは、そんなに前に出てきていた父ではなかったので。自分がしっかりしないといけないと思って、積極的にお客様に話しかけたり、二胡を演奏したり、それがとても良い方向に向かってます。
音楽の力って、上手下手ではなくて気持ちなんだなーと。人の力の強さを改めて感じております。 父が元気だと私達も嬉しいですし、逆にパワーをもらえますしね。

ところで、ベトナム料理って、あまり食べたことがないのですが...

よく日本人の口に合わせてるの?と聞かれますが、そんなことは一切ありません。 日本から観光へ行かれる時は、ベトナムの南側にあるサイゴンへ行かれることが多いようですが、うちの実家はハノイより、もっと北側の田舎になります。北部と南部では、味が違うんですね。北部は本当にアッサリしています。中国の国境に近いから、味は中国に近いです。だから、日本人の口にも合いやすいのかな、と思います。ると思います。常識と秩序とマナーを持って、楽しく明るく元気な商店街になって欲しいです。

唐突ですが...商店街に対してご意見はありますか?

理事長さんなど、皆さん本当に頑張ってくれてると思います。素晴らしいな、と思います。また、1年に1度開催される夜市は、楽しいですね。人がたくさん来て、賑わってくれて。もっと沢山イベント計画をして、商店街の人達、そして、お客様と楽しい時間を過ごしたいです。

最後にひとこと

今、私達がここまで頑張れているのはお客様があってこそ。母が、いなくなった今、父を含め、私達家族にパワーと笑顔を与えてくれるのはお客様です。今までとは違った意味でまた、感謝出来るようになりました。
心の底から、「本当にありがとう」と伝えたいです。(2012.05)

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