神戸元町商店街 KOBE MOTOMACHI SHOPPING STREET

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元町の商人(あきんど)をじゅずつなぎ方式で知人の商人を紹介しています。

6丁目「ハンドメイドCLEAR∴」 寺迫 智枝さん

6丁目「ハンドメイドCLEAR∴」 寺迫 智枝さん

洋裁、編み物、刺繍、彫金、木工、ステンドグラスなど、ありとあらゆる「手作り」が盛んに行われていると知りつつも、なぜか「手芸」という言葉に懐かしい響きを感じる今日この頃、思い出させてくれるのが6丁目にあるこの店だ。ペンキをペタペタ、トンカチトントンと手作りした、カントリー&ロハス調の可愛らしい店内に並ぶ作品のすべてがさらに温かく、幅広いジャンルの作品を集めながらも、どれも「手芸」という言葉がぴったりくる。出迎える手作りの洋服に身を包んだ寺迫さんも、店の雰囲気どおりナチュラル&ガーリーなお洒落女性だが、全国の作家さんが作った作品を委託販売する全国でもまれなシステムを構築し採算ベースに乗せたほか、いろいろな教室を開催し手作り拠点として位置づけ、商売を成立させている凄腕の一面をのぞかせる。

この店の特徴から教えてください。

「まず、扱う商品がすべてハンドメイドであること。第二点は作家さんの作品を委託販売という全国でも珍しいシステムを採用しています。委託契約を結んだ作家さんは北海道から九州まで100人を超え、6年前に自宅のある西宮でオープンしました。縁あって元町6丁目で再オープンし、アクセスの良さもさることながら、自分の作った作品が神戸に並ぶことに喜びを感じておられることを肌身で感じています。現に移転を機に登録作家数も増えました。神戸というのは特別のイメージがあるのでしょうね。こちらも商売がやりやすいし、とてもハッピーです」

なぜこういったお店を始めようと思われたのか、ご自身の紹介を兼ねて教えて下さい。

「若い頃営業職に就いていた私ですが、出産と同時に退職し、元来子ども好きということもあり5人の子宝に恵まれ子育てに追われる毎日の中で、もともと好きだったハンドメイドの世界にはまり込みました。6~7年前になるかしら、当時流行したブログを通じて同じ趣味を持った仲間が集い手作りのイベントをしようと盛り上がり、いつのまにかお店ができていたという感じです。そうするうちに、手作りに興味を持たれていた前のオーナーさんからお声が掛かり、この店で再スタートを切りました」

こういう商品を作ってほしいといった要望を作家さんに出されるのですか。

「特にありません。作家さんの個性を尊重しています。その方がおもしろい作品が上がってくるから。その上でお客様はこんな商品をほしがっているとか、この時期はこんな商品が売れるといった、販売者の立場での意向は伝えています。とにかく幅広いジャンルの幅広い作家さんがいるのが当店の強みで、それをどう活かすかが私の力量だと肝に銘じています」

手作り講習会や各種イベントも開催されていると。

「店の主体はあくまで物販ですが、私自身の子育て経験から、若いママたちが子育ての悩みや喜びを共有できる場所を提供したいという思いもあって、店の奥にはカフェスペースを設けています。さらに子どもが小さい時って、洋服や小物などいろいろなものを作ってあげたい欲求は強いものの、子どもがいるとミシンや洋裁箱を出して手作りするのは大変というジレンマに陥りがちです。だから子ども連れでも手作りができて作り方も学べる場所を提供したくて、作家さんに講師をお願いし、講習会をスタートさせました。それにママたちには学びたい欲求はあっても、通常の教室だと子どもの病気や怪我などのアクシデントが多く続けにくいという悩みにも対応し、うちの講習会は基本的に単発で一回ごとに申し込むシステムを採用し、参加しやすいと好評価を頂いています。最近では、その内容も手作り講習会にとどまらず、ママたちが学びたい内容という条件さえクリアすれば、多様なテーマに拡大しています」

何でもお金で購入できる時代、台所に包丁もないという若い主婦が増えていると聞きますが、手作りはきちんと行われているのですか。

「うちの作家さんや講習会に参加するような、手作りに大変興味を持つ方は確かにおられますが、その一方で、針が持てない、ボタン付けさえできないという人も多く、両極端なのかもしれません。手作りは苦手だけど、入園・入学時などで子どもに手作り小物を子供に持たせたい人が、うちの店に買いに来られます」

ご自身の作品もここに。

「残念ながら時間がなくなってしまいました。自分の着る服だけかろうじて手作りしているのが現状です(笑)」

話は変わって、寺迫さんにとって元町らしさとは。

「ハイカラでお洒落な元町商店街は、お客様も上品でお洒落な方は多いうえ、6丁目は独特のゆったりとした温かい雰囲気が漂い、手作り商品の販売にはぴったりだと思っています。さらに新参者の私ですが、わからないことを尋ねると丁寧に教えて下さるなどなにかと良くして頂き、商店街の皆さんの温かさを肌身に感じています」

寺迫さんの今後の夢を教えて下さい。

「とはいえ、もっとたくさんのお客様に来て頂けるよう活性化が必要なことも確かです。その一方、手作りの温かさが再認識されていることもあり、アートに特化したフリーマーケットなども開催されるなど、ハンドメイドに対する意識も変わってきました。そこで商店街の空き店舗対策として、若いクリエーターたちがお店を出すといったことが各地で目立っている中、私もそうした動きの推進役となれることを願っています。さらに元町商店街の手作りイベント「クラフツアーケード」の実行委員も務めており、こうしたことを通じて、当店が発展するとともに、商店街活性化に一役買えたらと願っています。それと、せっかくすてきな元町で商売できるようになったのだから、オリジナル商品を開発しなくてはもったいない。これは、ぜひとも今年中に実現させるつもりです。

楽しみですね。頑張って下さい。どうもありがとうございました。

(2012.06)

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