神戸元町商店街 KOBE MOTOMACHI SHOPPING STREET

神戸元町商店街 KOBE MOTOMACHI SHOPPING STREET

MOTOMACHI MAGAZINE MOTOMACHI MAGAZINE 元町マガジン

元町の商人(あきんど)をじゅずつなぎ方式で知人の商人を紹介しています。

4丁目「浪花屋漆器店」 近藤 洋子さん

4丁目「浪花屋漆器店」 近藤 洋子さん

お店は何年前からされているんですか?

2013年でちょうど100周年になります。亡くなった主人の代で三代目となります。創業当時、6丁目に店舗を構えておりましたが、移転してまいりました。とは言っても戦前には、4丁目へ移転していたそうですけどね。

お店はいかがですか?

昔はたくさんお客さんいらっしゃいましたけどねぇ...神戸発祥の企業、地域の方々、他業種の老舗の方々にもご贔屓にしていただいてました。ボーンチャイナという言葉があるように、陶器はチャイナと呼ばれますが漆器はジャパン(JAPAN WARE)と言われ、海外からのお客様やお土産などにも喜ばれていました。以前は、各国の領事館の方々にもご注文いただいていたのですが、他地域へ移動したので寂しくなりました。子どもが小学生の頃は、学校から帰ってくるときにも店の中をかき分けて入ってきたほどだったね...なんて話を先日も子どもと話していたところなんです。今の時代は、百貨店で購入される方も多いですからね。

何でも百貨店で購入される方は一般的に多いですよね。

百貨店でも和食器の売場は縮小しているようです。近頃は、扱いが難しいと思われていることもあり、漆器自体の需要が減っているようです。需要が少ないために、職人さんが高齢化し、跡継ぎが見つからず、技術そのものが衰退してきているため、もう作れない椀などもあります。塗りの技術が育っていないので、そのまま消滅しつつあります。お客様から注文を受けても「これはもう作れません」などと答えられることが度々あります。

(戸棚から漆器を取り出し、見せていただく)

春慶塗(しゅんけいぬり ※1)も、なかなか職人さんがいないので、産地の飛騨高山には品数も多く揃っていますが、今では仕入れが難しくなってきています。春慶塗は、軽くて丈夫なんです。天然の木目をそのまま活かす技法が特徴的で、見た目にも木目が美しく扱いやすいので好まれる方も多いのですが、ご希望の品が無いこともあり残念です。漆は呼吸をしているので、大事にされすぎて、空気に触れさせずにしまい込んでいると、ひび割れなどの原因になりますが、普通に使用していれば丈夫ですし、長く使用していただけるものなんです。使用されない漆器などはインテリアや置物として飾られておくと特別な手入れもいらずお部屋のアクセントにもなります。あまり過保護にしすぎないほうが漆器には良いです。 手入れはなるべく直射日光に当たらないように気をつけて、漆器は柔らかいスポンジで洗ってください。今は、樹脂で作られた食洗機対応の漆器も増えてきました。 でも、やはり木製の手作りのほうが温かみがありますし、使用していくほどに艶が出て、味わい深いものになります。木製というのは、木目を活かすので、何年も寝かせ、くり抜き、また寝かせ、さらに削るという贅沢な木の使い方をしますので、そのぶんコストもかかってしまいます。

(高額な漆器を見せていただくが、感嘆の声ばかりで言葉にならず...)

私は漆器に関してほとんど無学ですが、やはり美しいものは美しいですね。伝統美というか、職人の技が宿っているというか、主張しすぎない奥ゆかしさの中に魅力を感じます。

貴重な商品を見せていただきありがとうございます。勉強して知識を得ると漆器はハマってしまいそうです。

そうですね。産地ごとにさまざまな塗りの特徴がありますし、お好きな方は本当に詳しい方がいらっしゃいます。

最後にもとまち商店街へ一言、お願いします。

もとまち商店街の人達は、主人もそうでしたが、幼少の頃からお付き合いのある方が多く、仲が良くて今でも親交があり、親しみ深い場所ですので、これからもずっと活気ある商店街であってほしいと願います。(2013.02)

PCサイトを見る スマホサイトへ戻る