神戸元町商店街 KOBE MOTOMACHI SHOPPING STREET

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MOTOMACHI MAGAZINE MOTOMACHI MAGAZINE 元町マガジン

元町の商人(あきんど)をじゅずつなぎ方式で知人の商人を紹介しています。

1番街「マサニ電気」 富士元 康子さん

1番街「マサニ電気」 富士元 康子さん

お店の歴史を簡単に教えてください。

私の叔父が創業者になります。叔父の名前が正二朗という名前でそこから「マサニ」という屋号でずっと続けております。 終戦前の時代、ほとんどの店が木造建築で、昭和18年頃が創業だと聞いています。当時の日本といえば、電球やラジオから始まり、やっとテレビ(もちろん白黒)が普及し始めた頃は修理する社員もおり、すべて、自前で直すというのんびりとした時代でした。叔父の後を継いだ叔母が1962年頃、TAX FREEをメインとした海外向け電化製品を展開したようです。その頃、神戸には多くの船員さんが行き交っていて、ちょうど日本が高度成長期で「MADE IN JAPAN]の電化製品が非常に貴重であり、海外の方達に需要が高かったんですね。 それで、叔母の時代に海外モデルを中心とした免税店に全面チェンジしたんです。今は、そこまで日本製にこだわらなくても他国ブランドの電化製品の品質も向上しています。それでもやはり中国の方は、電子炊飯器や、カメラにおいては、日本製が一番だと思ってくれて、来店いただくことが多いです。

中国では自国ブランドの炊飯器はまだ普及していないのでしょうか?

いいえ、そんなことありません。中国では、日本製=MADE IN JAPANという品質に安心感を抱いている方が非常に多いということです。又、中国ではまがい物が、横行しているのですが、一眼レフの高額カメラを日本で購入する(まがい物ではない安心感)方がとっても多いのです。しかし、やはり、神話は、崩れてきています。この時代の変遷と共に昨今、免税店も閉店、もしくは縮小が、続いています。私たちも、変化を余儀なくされ、免税、通信販売、電気工事、と三部体制で何とか、頑張っています。大手家電メーカーも苦戦している中、私共も同様に厳しい状況に直面しております。いつの時代にも、浮き沈みは、あるものです。

今では、いくつかの支店を展開され、携帯電話にも進出され、かなり手広く事業展開されいるんですね。

お蔭様で、ありがとうございます。しかし、どれもこれもいきなり思い立って始めたことではなく、阪神大震災の後、街中の灯りがほとんど消えてしまい、連絡手段もままならない状況になりました。 そのことがきっかけとなったのか、震災後、多くのお客様が店に「携帯電話はありますか?」と言ってこられることが多くなり、需要に応えていくために取扱いを始めたのがきっかけなんです。そうこうしていくうちにドコモへと参入することができ、振り返ると店舗が増えていたなあというのが実感です。

元町商店街の中でも1番街は特に店舗の入れ替わりが激しいと思うのですが、戦前からずっと継続されているのは本当に素晴らしいことであり、パワーのいることですよね。

そうですね。何世代にも渡り、お商売を続けていらっしゃる店もありますが、新しい店もすぐにでき、入れ替わりが、激しいように感じます。サイクルが早く環境の変化に追い付かない現状です。 私共の店舗が、現在の元町商店街のニーズに合っているのか否かと問われると答えは、簡単に見つかりません。はっきりしていることは、お客様が今何を求めているのかを真剣に考えてそれに沿うように努力をしていくことなのでしょうね。

元町商店街は様変わりしたと感じらますか?

単価の安い商品が増えてきました。質の良い、高級感のある商店街のイメージは失われつつあります。そのかわり、単価は、低いけれど元気な、勢いのある店や、シックな元町らしさのあるフード系の店舗も多く出店され、新しい元町になる予感がします。それは時代を映す鏡なのでしょうね。

時代の流れに沿った商売というところで模索されている店主さんは多いのかもしれませんね...。

私の考えとしては、時代が変化していくことを寂しいとかマイナスにとらえるのでなく、時代の流れを自分なりにキャッチして懐古主義に陥らずどんな時代になろうともお客様に喜んでいただけることをモットーとして、その為には自分も変わっていく必要があるとおもいますし、それが、「商い」の原点だと考えています。昔のようにもう少しゆっくり進んでくれたら、、と弱音を吐くこともありますが、悲観的に考えていても何も変わらないと思います。一人でも多くのお客様に喜んでいただけるためには?...これが永遠の課題です。

とても前向きで元気をいただけるお話でした。ありがとうございました。

(2013.04)

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