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昔の元町通
第13話 元町通の写真機店(1) 「赤壁商店」
この企画は、かつての西国街道が「元町通」(明治7年)となり、商店街となった大正末期・昭和初期から、アーケードが完成する昭和28年までの「元町通」を紹介するコーナーです。
第13話 元町通の写真機店(1) 「赤壁商店」
2009/03/01
昔の元町通
「市田写真館」の項(第10話)で登場した神戸栄町の廻船問屋「長門屋」(光村弥兵衛)の遺児・光村利藻(妾腹の子として大阪別邸で生まれ、神戸本邸に引き取られた)が父親の葬儀写真に興味を抱き、17円50銭の大枚はたいてカメラを購入したのは居留地の「トムソン商会」。写真材料を販売する「小西商店」(コニカミノルタ)や「浅沼商会」が東京に、「桑田商会」が大阪にありましたが、舶来品も以前と根強く、神戸では元町通4丁目で、かつての二ツ茶屋村の時から代々の漢方薬種商だった「赤壁商店」では浅沼商会の写真機材料を扱っていました。世界初の量産乾板(ネガ)メーカーの「イーストマンコダック」の写真機材料を明治27年(1894)に「赤壁商店」が扱い、輸入カメラも売るようになったのが神戸初(居留地は除く)の写真機店。購入するのは写真館などのプロの営業写真師や大富豪ばかり、一般庶民が「趣味道楽」でカメラを手にすることはありませんでした。明治32年(1889)には東京大学の御雇い教授のバートン博士、チャールズ・D・ウェスト教授らの外国人の主唱で、宮内省出入りの写真師小川一真(かずまさ)らの東京・横浜の営業写真師、華族らが集まって日本初のアマチュア写真倶楽部「大日本写真会」が誕生、やがて明治34年(1901)に「東京写友会」(会長は写真好きの尾崎紅葉)も出来て、各地にアマチュア写真倶楽部が続々と生まれ、翌明治35年に神戸にも「神戸写友会」が神戸初のアマチュア写真倶楽部として誕生し、事務局が置かれたのは4丁目(浜側)の「赤壁商店」でした。
※赤壁商店は現在も同じ場所で営業していますが、創業家高濱家、中田家からさらに変遷をしており、写真機材料商時代の資料は戦災などで残っていません。
安井裕二郎
2011年
第36話 続・元町喫茶店史―4軒のカフェー
第35話 元町喫茶店史―「三星堂ソーダファウンテン」
第34話 元町食べ物史(和洋菓子史を中心に)
第33話 洋服店
第32話 大丸呉服店
第31話 呉服店
2010年
第30話 すずらん灯
第29話 ガス燈と瓦斯館
第28話 西洋ランプ
第27話 鯉川筋
第26話 絵葉書店
第25話 郵便役所
第24話 せいもん払い
第23話 両替店
第22話 西の関門
第21話 為替会社
2009年
第20話 元町通の出版・書店史(2) 「キリスト教書店」
第19話 元町通の出版・書店史(1) 「絵草紙屋」の多田屋巻
第18話 元町通の写真機店 戦後の巻
第17話 元町通の写真店 「大丸写真室」
第16話 元町通の写真機店(4) 「本庄商会」
第15話 元町通の写真機店(3) 「安井写真機店」
第14話 元町通の写真機店(2) 「安井写真機店」
第13話 元町通の写真機店(1) 「赤壁商店」
第12話 元町通の写真館(4) 長崎の為政写真館と「為政堂」
第11話 元町通の写真館(3) 「続・市田写真館と平村写真館」
2008年
第10話 元町通の写真館(2) 「市田写真館と平村写真館」
第9話 元町通の写真館(1) 「神戸の初期写真史」
第8話 骨董店編(3) 「珍産商会」
第7話 骨董店編(2) 「播新」
第6話 骨董店編(1) 「越後屋」
第5話 学校編(5)
第4話 学校編(4)
第3話 学校編(3)
第2話 学校編(2)
第1話 学校編(1)
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