神戸元町商店街 KOBE MOTOMACHI SHOPPING STREET

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この企画は、かつての西国街道が「元町通」(明治7年)となり、商店街となった大正末期・昭和初期から、アーケードが完成する昭和28年までの「元町通」を紹介するコーナーです。

第35話 元町喫茶店史―「三星堂ソーダファウンテン」

第35話 元町喫茶店史―「三星堂ソーダファウンテン」

cont08-132-01.jpg元町通の喫茶店の第一号は、6丁目山側の薬局「三星堂」内に大正12年(1923)に開店した 「三星堂ソーダファウンテン」です。「三星堂」は同地に創業した市内の病院・市役所などに薬品を卸小売する薬局で、「三星堂ソーダファウンテン」は店主の熊田佐一郎が銀座の資生堂のソーダファウンテンを真似てオープンしたソ―ダ水等を製造販売する喫茶店でした。薬局の一角に開店するや入店待ちの行列客のために本通りに椅子を出し、大阪からもわざわざ客が来る盛況ぶり、そこで翌大正13年(1924)10月に70坪の店舗を大改築し、2階ワンフロアに70人の客が入店できる革のソファを置いた本格的な喫茶店、『神戸の画廊喫茶の草分け』『日本で最初に客にオシボリを出した喫茶店』として再スタートしました。

cont08-132-02.jpg昭和初期に日本に本格的なカフェーブームが来たことや当時西手に神戸市役所、三越デパート、神戸新聞社・神戸又新日報の2新聞社、鈴木商店などがあった文字通りの神戸の中心地だったことで、新聞社の文化部記者や小磯良平らの画家仲間、竹中郁らの詩人仲間等々の神戸の文化人が集まり、また関西学院・神戸商大予科(後の神戸大学経済学部)等の若者、地元の青年団員らが集まる神戸屈指のカフェー、戦前の元町通の名物店として空襲焼失するまで親しまれました。(明治31年に6丁目で創業した三星堂は医薬品卸国内最大手の現・クラヤ三星堂の前身で、本社は戦後の昭和31年に山本通に移転、その後に6丁目浜側に開設された神戸営業所の跡地は神戸市に寄贈されて「滝公園」となっています)
安井裕二郎
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