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昔の元町通
第14話 元町通の写真機店(2) 「安井写真機店」
この企画は、かつての西国街道が「元町通」(明治7年)となり、商店街となった大正末期・昭和初期から、アーケードが完成する昭和28年までの「元町通」を紹介するコーナーです。
第14話 元町通の写真機店(2) 「安井写真機店」
2009/04/01
昔の元町通
神戸初の写真機店は、明治27年(1894)からイーストマンコダック社の輸入写真機材料を店で扱い、その後に輸入カメラも扱うようになった、4丁目の「赤壁商店」(現存)。明治35年(1902)には神戸初のアマチュア写真倶楽部「神戸写友会」が同店内に誕生しました。その後、明治44年(1911)に携帯型の国産カメラ「ミニマム・アイデアカメラ」が、小西本店(現・コニカミノルタ)からアマチュア向けの小型カメラとして新発売されると、一気にカメラ愛好者の裾野が広がりました。「安井写真機店」(創業時は安井商店)は神戸で2番目の草分けのカメラ店として、大正元年(1912)に5丁目(山側)に創業しました。創業者は、元町にあった神戸商業講習所の後身の県立神戸商業学校(県商、現存)を出、兵庫の饅頭店「養老堂」(すでに4丁目にて親戚が同名店を開業)の長男で、家業を手伝っていた20歳の安井光三(みつぞう、著者の母方祖父)。父親からの借金で、当時の大阪の著名カメラ卸「上田写真機店」の神戸代理店としてカメラの通信販売や修理から出発。まもなく、第一次世界大戦を契機とした「大戦景気」で店は幸先よく拡大し、数年後に、同じ5丁目の浜側の十合呉服店(現・そごう)の東隣に移転拡大、大正14年(1925)には、顧客の商売人や医者などを集め、アマチュア写真倶楽部「光楽(こうらく)会」を結成、汽車に乗って須磨・明石まで撮影旅行を行うなど、店主は一躍、神戸のモダンボーイとなりました。(次号に続く)
※店主の安井光三の撮影写真、光楽会メンバーの撮影写真などは「開港5都市モボ・モガを探せ!神戸展」で紹介されました。
安井裕二郎
2011年
第36話 続・元町喫茶店史―4軒のカフェー
第35話 元町喫茶店史―「三星堂ソーダファウンテン」
第34話 元町食べ物史(和洋菓子史を中心に)
第33話 洋服店
第32話 大丸呉服店
第31話 呉服店
2010年
第30話 すずらん灯
第29話 ガス燈と瓦斯館
第28話 西洋ランプ
第27話 鯉川筋
第26話 絵葉書店
第25話 郵便役所
第24話 せいもん払い
第23話 両替店
第22話 西の関門
第21話 為替会社
2009年
第20話 元町通の出版・書店史(2) 「キリスト教書店」
第19話 元町通の出版・書店史(1) 「絵草紙屋」の多田屋巻
第18話 元町通の写真機店 戦後の巻
第17話 元町通の写真店 「大丸写真室」
第16話 元町通の写真機店(4) 「本庄商会」
第15話 元町通の写真機店(3) 「安井写真機店」
第14話 元町通の写真機店(2) 「安井写真機店」
第13話 元町通の写真機店(1) 「赤壁商店」
第12話 元町通の写真館(4) 長崎の為政写真館と「為政堂」
第11話 元町通の写真館(3) 「続・市田写真館と平村写真館」
2008年
第10話 元町通の写真館(2) 「市田写真館と平村写真館」
第9話 元町通の写真館(1) 「神戸の初期写真史」
第8話 骨董店編(3) 「珍産商会」
第7話 骨董店編(2) 「播新」
第6話 骨董店編(1) 「越後屋」
第5話 学校編(5)
第4話 学校編(4)
第3話 学校編(3)
第2話 学校編(2)
第1話 学校編(1)
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