神戸元町商店街 KOBE MOTOMACHI SHOPPING STREET

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この企画は、かつての西国街道が「元町通」(明治7年)となり、商店街となった大正末期・昭和初期から、アーケードが完成する昭和28年までの「元町通」を紹介するコーナーです。

第14話 元町通の写真機店(2) 「安井写真機店」

第14話 元町通の写真機店(2) 「安井写真機店」

826-01.jpg神戸初の写真機店は、明治27年(1894)からイーストマンコダック社の輸入写真機材料を店で扱い、その後に輸入カメラも扱うようになった、4丁目の「赤壁商店」(現存)。明治35年(1902)には神戸初のアマチュア写真倶楽部「神戸写友会」が同店内に誕生しました。その後、明治44年(1911)に携帯型の国産カメラ「ミニマム・アイデアカメラ」が、小西本店(現・コニカミノルタ)からアマチュア向けの小型カメラとして新発売されると、一気にカメラ愛好者の裾野が広がりました。「安井写真機店」(創業時は安井商店)は神戸で2番目の草分けのカメラ店として、大正元年(1912)に5丁目(山側)に創業しました。創業者は、元町にあった神戸商業講習所の後身の県立神戸商業学校(県商、現存)を出、兵庫の饅頭店「養老堂」(すでに4丁目にて親戚が同名店を開業)の長男で、家業を手伝っていた20歳の安井光三(みつぞう、著者の母方祖父)。父親からの借金で、当時の大阪の著名カメラ卸「上田写真機店」の神戸代理店としてカメラの通信販売や修理から出発。まもなく、第一次世界大戦を契機とした「大戦景気」で店は幸先よく拡大し、数年後に、同じ5丁目の浜側の十合呉服店(現・そごう)の東隣に移転拡大、大正14年(1925)には、顧客の商売人や医者などを集め、アマチュア写真倶楽部「光楽(こうらく)会」を結成、汽車に乗って須磨・明石まで撮影旅行を行うなど、店主は一躍、神戸のモダンボーイとなりました。(次号に続く)
※店主の安井光三の撮影写真、光楽会メンバーの撮影写真などは「開港5都市モボ・モガを探せ!神戸展」で紹介されました。
安井裕二郎
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