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「商鑑」とは造語です。「あきないかがみ」と読みます。「商(あきない)」とは商売で、「鑑(かがみ)」とは鑑(かんが)みる、すなわち考えることなので、「商鑑」とは商売を考えるという意味です。三木 久雄さんが「鏡」に映して歴史を考えるという趣旨で掲載しています。

第16話 ネーミング

第16話 ネーミング

1157-01.jpg 「B-1グンプリ」が「全国B級グルメ大会」というタイトルだったら、こんなにブレークしていたでしょうか。ネーミングは死活問題なのです。

 長々と歴史上の人物の名前について書いたのは、名前の付け方が時代によって大きく異なるということを示すためです。ではなぜ名付け方が変るのか。それは「名は体を表す」からに他なりません。体を表す以上、名をおろそかに出来ないのです。店名を付ける、商品名を付ける、人名を付ける経験を過去にお持ちの方ならご理解いただけるでしょう。何を考えて名前を考えるのかを。店名であれば繁盛しますように、商品名であれば売れますように、人名であれば健やかに育ちますようにと。
 にもかかわらず同じように人間に付けられる名前が、なぜ時代とともに変化するのでしょう。それはそれぞれの時代によって考え方が変化するからです。大化の改新以前の日本人が「稲」とか「鹿」とか「馬」という字を人名につけたのは、その当時の人たちにとって「稲」「鹿」「馬」が大切だったからです。と同じように、平安貴族にとって「長」「平」「道」「良」「友」が、源平にとって「盛」「朝」「義」が、その後の武士にとって「時」「家」「吉」が重要であったからです。
 さらに明治、大正、昭和、平成を経て、私たちの名前の付け方は過去と大きく違っています。なぜなら過去から現在に至るまで、社会は、世界は大きく変化したからです。歴史の歩みの中で名前の付け方は変化し続けたのです。しかし、名前を付けることにおいて、今も昔も変わらないものがあります。それは名付ける人、名付け親は、名付けるものが人間であれ、動物であれ、器物であれ、土地であれ、建物であれ、それが何であろうと、名付ける対象が幸多かれと祈るような気持ちで名付けるのです。その気持ちは、今も昔も変わらない。不変なのです。
三木 久雄
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