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「商鑑」とは造語です。「あきないかがみ」と読みます。「商(あきない)」とは商売で、「鑑(かがみ)」とは鑑(かんが)みる、すなわち考えることなので、「商鑑」とは商売を考えるという意味です。三木 久雄さんが「鏡」に映して歴史を考えるという趣旨で掲載しています。

第19話 誰の土地かを誰が決めるのか

第19話 誰の土地かを誰が決めるのか

1175-01.jpg 土地って、もともと誰のモノなのでしょう。難問中の難問です。古今東西の大問題です。

 歴史を調べて気づくのは、時代とともに、変るものと、変らないものと、ふたつながらにあることです。例えば、人名ひとつとっても、名付け方が、時代とともに変って来ました。しかし、生まれくる子どもに、幸多かれと祈る思いで名付けることは、いつの時代にあっても変わらない親の愛なのです。時代が変遷していく中で、何が変化し何が変化しないのかを見ていくと、変わらないものの中にこそ、人間にとって本質的なもの、根源的なものがあることが分ります。
 我が国の社会体制は、有史以来、今日に到るまで、大きく変化してきました。奈良、平安、鎌倉、室町、江戸、明治、大正、昭和、平成、という時代区分は、ある意味、社会体制の区分でもあるのですが、律令体制、貴族社会、武家社会、立憲君主制、議会制民主主義、と時代とともに、変化を遂げてきました。
 では、なぜ、社会体制が変わってきたのでしょう。社会体制とは、統治機構です。統治機構に課せられた最大の責務は、昔も今も変わらず、土地所有権、使用権を確定することです。誰が、どの様に、土地の所有権、使用権を確定するのかという。律令体制であれば公地公民という形態で国家が、貴族社会であれば荘園制で貴族、神社、仏閣が、武家社会であれば武力をもって武士が、立憲君主制、議会制民主主義であれば議会で制定された法律に基づいて、土地の所有権、使用権が確定するのです。
 社会体制の根幹である統治機構は、時代の変遷とともに大きく変化してきました。しかし、土地所有権、使用権の確定が、統治機構の最大の責務であることは昔も今も変らないのです。なぜなら、土地所有権、使用権の確定こそ、いつの時代にあっても、人間にとって、一番重要な問題であることは、変らないからです。
三木 久雄
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