神戸元町商店街 KOBE MOTOMACHI SHOPPING STREET

神戸元町商店街 KOBE MOTOMACHI SHOPPING STREET

MOTOMACHI MAGAZINE MOTOMACHI MAGAZINE 元町マガジン

シェアしてね!

「商鑑」とは造語です。「あきないかがみ」と読みます。「商(あきない)」とは商売で、「鑑(かがみ)」とは鑑(かんが)みる、すなわち考えることなので、「商鑑」とは商売を考えるという意味です。三木 久雄さんが「鏡」に映して歴史を考えるという趣旨で掲載しています。

第39話 食物が作物

第39話 食物が作物

1292-01.jpg 人間は、いつ人間になったのでしょう。人間になれたのでしょう。自分が食べる物を、自分で作り出すことが出来るようになった、その時からなのです。
 
 人類が「万物の霊長」、すなわち地球上のすべての生物の頂点に立ったのは、人類が「創造力」を持ったからです。「モノ」を「生む力」を。人類を除いて地球上のすべての生物は、生命の維持に、在るものを食します。在るものを食することしかできません。人類だけが、ある時点から、自ら食するものを、自ら生み出したのです。他の生物と同じく、動物を捕獲し、植物を採集し、食糧として確保することしか出来なかった人類の祖先が、ある時点から、牧畜し、耕作して、動物を、植物を食糧とする手段を得たのです。
 人類が、何より先ず、生命の維持に不可欠な食糧を「創造」することができた、すなわち「生産」することが出来るようなったことこそが、人類を、他のすべての生物を圧して「万物の霊長」たらしめました。「生産」こそ人類の起源なのです。とりわけ食糧の「生産」は、食糧の安定供給を可能にし、種の保存を確実にしたのです。人類は、食糧の「生産」から始めた「創造」を、さらに生命の維持に重要な住居、衣服の「生産」に拡張していきました。「衣食住」すべてを、在るもののみに依存するのではなく、望みどおりに「創造」できるようになったのです。
三木 久雄
PCサイトを見る スマホサイトへ戻る