神戸元町商店街 KOBE MOTOMACHI SHOPPING STREET

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「商鑑」とは造語です。「あきないかがみ」と読みます。「商(あきない)」とは商売で、「鑑(かがみ)」とは鑑(かんが)みる、すなわち考えることなので、「商鑑」とは商売を考えるという意味です。三木 久雄さんが「鏡」に映して歴史を考えるという趣旨で掲載しています。

第7話 店売りと外売り

第7話 店売りと外売り

1102-01.jpg 「いらっしゃいませ」という言葉を私たち商売人は何気なく使っていますが、その語源は「入らしてくださいませ(店の中にお入りくださいませ)」でしょう。商店街に店舗を構える商売人にとって、来客は何より大切なのです。

 商売は、その始原に遡って大きく二つの販売方法に分かれます。店舗販売と訪問販売です。店舗販売とは、店舗を構えて来店されたお客様に販売する商売です。訪問販売とは、商品を携帯してお客様の所に出向き販売する商売です。いつの時代にあっても店舗販売と訪問販売は同時並行で行われてきました。
 店舗販売には、常設の店舗と仮設の店舗があります。常設の店舗販売は、同じ場所に店舗を構えて年間を通じて営業するのに対して、仮設の店舗販売は、ある一定期間、ある一定の場所に店舗を構えて営業します。代表的な常設の店舗販売は商店街、小売市場です。代表的な仮設の店舗販売は神社、仏閣の祭礼での屋台、露店です。
 商業が未発達な時代には、常設の店舗販売は無く、「市(いち)」と呼ばれる仮設の店舗販売か、訪問販売か、移動する販売形態しか在りませんでした。しかし、生産の拡大に伴って余剰生産物が増大し、余剰生産物が貨幣と交換される貨幣経済が定着してくると、購入希望者に常時販売できる常設の店舗が生まれ、その集積地として「町」が誕生しました。
 常設の店舗販売は、いついかなる時も、「いらっしゃいませ」とお客様をお迎えする商売ですが、お客様にお越しいただかなければ、商売上がったり、為すすべ無し、手持無沙汰。店舗販売は、すべからく千客万来でなければなりません。そのために何が必要か、重要か。それは集客です。
 商業地域としての「町」が集客力を保つために大切なのは「町」に店舗を構える「店」がお客様を呼び込める魅力ある商売をすることです。「町」の魅力とは「店」の魅力からしか生まれない。「店」の魅力は、商品、展示、接客からしか生まれない。それは古今東西、変わらないのです。
三木 久雄
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