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「商鑑」とは造語です。「あきないかがみ」と読みます。「商(あきない)」とは商売で、「鑑(かがみ)」とは鑑(かんが)みる、すなわち考えることなので、「商鑑」とは商売を考えるという意味です。三木 久雄さんが「鏡」に映して歴史を考えるという趣旨で掲載しています。

第27話 わんぱく王子はスサノオノミコト

第27話 わんぱく王子はスサノオノミコト

1220-01.jpg 日本最初の長編カラー・アニメーション映画は「白蛇伝」でした。
 東映動画の制作ですが、二作目は「わんぱく王子の大蛇退治」です。

 黄泉(ヨミ)の国から帰った伊邪那岐神(イザナギノカミ)は死の穢れを落として最後に三人の子を生み落とします。太陽神である「天照大神(アマテラスオオミカミ)」、月神である「月讀命(ツクヨミ)」、海神である「素差戔鳴尊(スサノオノミコト)」です。素差戔鳴尊(スサノオノミコト)は亡き母、伊邪那美神(イザナミノカミ)に一目会いたいと黄泉の国に行こうとして父、伊邪那岐神(イザナギノカミ)の怒りをかい、黄泉の国に向う前に、姉の天照大神(アマテラスオオミカミ)に別れを述べようと高天原(タカマガハラ)へ行くのですが、高天原で「天つ罪」乱暴狼藉の限りをつくし、高天原を追放されるのです。
 では素差戔鳴尊(スサノオノミコト)が高天原で犯した「天つ罪」と何だったのでしょう。列挙すると、「畦放(あなはち)」、「溝埋(みぞうめ)」、「樋放(ひはなち)」、「頻播(しきまき)」、「串刺(くしさし)」、「生剥(いきはぎ)」、「逆剥(さかはぎ)」、「糞戸(くそへ)」です。「畦放(あなはち)」は田に張ってある水を、畦を壊すことで流水させること。「溝埋(みぞうめ)」は田に水を引くために設けた溝を埋めて水が引けないようにすること。「樋放(ひはなち)」は田に水を引くために設けた管を壊すことで水が引けないようにすることで、以上は水田の灌漑を妨害する行為です。「頻播(しきまき)」は他人が種を蒔いた所に重ねて種を蒔いて作物の成長を妨げること。「串刺(くしさし)」は収穫時に他人の田畑に自分の土地であることを示す杭を立てて横領すること。以上は他人の耕作を妨害する行為です。「生剥(いきはぎ)」、「逆剥(さかはぎ)」は、農耕のための家畜を殺傷する行為で、「糞戸(くそへ)」は豊作を祈念する大嘗祭の祭場を汚物で汚す行為です。
 以上、列挙したとおり、「天つ罪」とは、すべて水稲耕作の妨害行為であり、そのことは取りも直さず、水稲耕作の妨害行為が、極めて悪質な犯罪行為として処罰の対象であったことを示しています。
三木 久雄
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