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「商鑑」とは造語です。「あきないかがみ」と読みます。「商(あきない)」とは商売で、「鑑(かがみ)」とは鑑(かんが)みる、すなわち考えることなので、「商鑑」とは商売を考えるという意味です。三木 久雄さんが「鏡」に映して歴史を考えるという趣旨で掲載しています。

第38話 商売人はなぜ必要なのか

第38話 商売人はなぜ必要なのか

1285-01.jpg 「必要は発明の母」であるだけではなく、必要であってこそ存在価値があるのです。
 
 弥生時代以来、定住型水稲耕作社会であった日本は、近年に至るまで農本主義社会でした。農業を社会の基本とし、農業に最も高い価値を置いたのです。そのことは付随的に他の産業、工業や商業を農業の下位に置く価値観を醸成しました。江戸時代の「士農工商」という身分秩序が日本の社会秩序を端的に物語っています。
 定住型農耕社会である日本において、商業は、いつも劣等な地位に甘んじなければなりませんでした。邪魔者扱いされ続けてきたのです。しかし社会的評価がどうであれ、商業は着実に発展を遂げてきました。それは歴史の進歩に商業の果たす役割が極めて大きいことを雄弁に物語っています。
 歴史は時間の集積から生まれます。自然の歴史が変化であり、生物の歴史が進化であるなら、人類の歴史は進歩です。人類だけが進歩の歴史を歩めたのは、人類が「より豊かで、より安らかな生活を全うしたい」という強い意志を持っていたからです。その願望を実現するために、商業(交換経済)が必要だったのです。
三木 久雄
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