元町マガジン
この企画は、かつての西国街道が「元町通」(明治7年)となり、商店街となった大正末期・昭和初期から、アーケードが完成する昭和28年までの「元町通」を紹介するコーナーです。
前号に登場した明治26年創業の古切手商の「栄屋商店」は、山口県出身の今城高太郎(いまきこうたろう)が店主の元町通の著名店。その3丁目山側の店で絵葉書を初めて扱ったのは日清戦争(明治27・8年の役)の直後のことで、未だ「絵葉書」という日本語がなかったその時代にポストカードを販売、絵葉書ブームとなったその10年後からは自ら元町通の街並み写真を絵葉書化して販売し、元町通を内外に紹介する絵葉書店、日本の絵葉書店の草分けとなりました。その後、国内で映画がブームとなるや、男女優のブロマイド写真も販売、また、中原淳一や松本かつじらの少女向けの絵葉書や便せん・封筒も扱い、多くの人々が出入りする名物店となり、思い出の店ともなりました。