神戸元町商店街 KOBE MOTOMACHI SHOPPING STREET

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MOTOMACHI MAGAZINE MOTOMACHI MAGAZINE 元町マガジン

この企画は、かつての西国街道が「元町通」(明治7年)となり、商店街となった大正末期・昭和初期から、アーケードが完成する昭和28年までの「元町通」を紹介するコーナーです。

第30話 すずらん灯

第30話 すずらん灯

戦前の元町通といえば「すずらん灯」です。すずらん灯は元町通の両脇に大正15年(1926)から翌昭和2年(1927)にかけて約200本ほど建てられたすずらんを模した電飾灯。デザインしたのはかねて米仏伊印を遊学した東京美術学校の教授で、神戸高等工業学校の教授をも兼任した古宇田実です。最先端のパリ由来のアール・デコ様式の街路灯の導入をめぐってはその高い建築費用から商店主らの間で賛否がありました。が、商店街の「横のデパートメントストア化」を推進する多数派の「肥担百荷」つまり肥え樽もズラリ100並べると美しいという主張が通り、その結果は大成功。その後全国に広まったすずらん灯ブームの第一号となり「元ぶら」という言葉も生まれ、昭和モダニズムの中、モボ・モガが闊歩する元町通は戦前の全盛期を迎えました。とりわけ雨の日の夜の元町通はすずらん灯の光が水たまりに反射して美しかったそうです。
安井裕二郎
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