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昔の元町通
第34話 元町食べ物史(和洋菓子史を中心に)
この企画は、かつての西国街道が「元町通」(明治7年)となり、商店街となった大正末期・昭和初期から、アーケードが完成する昭和28年までの「元町通」を紹介するコーナーです。
第34話 元町食べ物史(和洋菓子史を中心に)
2011/04/01
昔の元町通
元町通の食べ物史は『スキヤキ』『煎餅』に始まります。明治元年(1868)に長州藩御用達商「鉄屋」が懇意の伊藤博文のアドバイスで、土間を改造した神戸で最初のスキヤキ屋を始めました。岩崎弥太郎や井上馨らも出入りした4丁目山側にあった店でしたが、客は少なく長続きしませんでした。翌明治2年には6丁目にあった関門(番所)の前(山側)にスキヤキ屋「月下亭」(後の月花亭)が開業、こちらはよく繁盛したようです。明治4年(1871)に灘の松野庄兵衛が浅草名物の紅梅焼を売る「松花堂」を3丁目に開店、明治6年(1873)には同店で奉公していた河内生まれの松井佐助が6丁目に「亀井堂」(今の亀井堂総本店)を創業します。明治10年(1877)には今の1番街に杉田太吉が瓦煎餅の「紅花堂」(今の本髙砂屋)を開店、明治15年(1882)には大阪の二宮亀太郎が「二宮盛神堂」を2丁目に開店、神戸で最初の西洋菓子店でしたが、当初は殆んど商売にはならず、むしろ同年発行の商店案内に掲載の羊羹・カステラの「祥瑞堂」、お福饅頭の「文栄堂」の方が繁盛していたようです。明治30年(1897)には地元の吉川市三が3丁目に洋館を建て、東京の
の暖簾分け店「
」(
)を開店しましたが、製造販売したのは栗饅頭・カステラでした。「
」が洋風菓子ゴーフルを新発売したのは昭和に入ってからで、その頃の元町通では今の1番街の山側に「いろは煎餅」「瀧餅饅頭店」「森永キャンディストア」「常盤堂和菓子店」「明治屋」、3丁目の浜側に「
」「本髙砂屋」山側に「二宮盛神堂」「トミヤ菓子店」「辰巳堂煎餅店」、4丁目の浜側に「松花堂」、5丁目の浜側に和洋菓子の「菊花堂」山側にカステラの「長崎屋本店」「天進堂菓子店」、6丁目の浜側に「亀井堂」山側に「力餅」(今の元町ちから餅)がありました。(戦後に元町進出した老舗店に「HIROTA」「ユーハイム」「花見屋」、戦後の店に「観音屋」「一番舘」「パティスリー グレゴリー・コレ」「フリュティエ・コム・シノワ」「パティスリー サ・ソ・ボン」「二つ茶屋」「吾妻屋」などがあります)
安井裕二郎
2011年
第36話 続・元町喫茶店史―4軒のカフェー
第35話 元町喫茶店史―「三星堂ソーダファウンテン」
第34話 元町食べ物史(和洋菓子史を中心に)
第33話 洋服店
第32話 大丸呉服店
第31話 呉服店
2010年
第30話 すずらん灯
第29話 ガス燈と瓦斯館
第28話 西洋ランプ
第27話 鯉川筋
第26話 絵葉書店
第25話 郵便役所
第24話 せいもん払い
第23話 両替店
第22話 西の関門
第21話 為替会社
2009年
第20話 元町通の出版・書店史(2) 「キリスト教書店」
第19話 元町通の出版・書店史(1) 「絵草紙屋」の多田屋巻
第18話 元町通の写真機店 戦後の巻
第17話 元町通の写真店 「大丸写真室」
第16話 元町通の写真機店(4) 「本庄商会」
第15話 元町通の写真機店(3) 「安井写真機店」
第14話 元町通の写真機店(2) 「安井写真機店」
第13話 元町通の写真機店(1) 「赤壁商店」
第12話 元町通の写真館(4) 長崎の為政写真館と「為政堂」
第11話 元町通の写真館(3) 「続・市田写真館と平村写真館」
2008年
第10話 元町通の写真館(2) 「市田写真館と平村写真館」
第9話 元町通の写真館(1) 「神戸の初期写真史」
第8話 骨董店編(3) 「珍産商会」
第7話 骨董店編(2) 「播新」
第6話 骨董店編(1) 「越後屋」
第5話 学校編(5)
第4話 学校編(4)
第3話 学校編(3)
第2話 学校編(2)
第1話 学校編(1)
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