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「商鑑」とは造語です。「あきないかがみ」と読みます。「商(あきない)」とは商売で、「鑑(かがみ)」とは鑑(かんが)みる、すなわち考えることなので、「商鑑」とは商売を考えるという意味です。三木 久雄さんが「鏡」に映して歴史を考えるという趣旨で掲載しています。

第17話 所変われば品変わる

第17話 所変われば品変わる

1166-01.jpg その昔のチャンバラ映画で、「姓は丹下、名は左膳」という決め科白がありましたが、西部劇なら、「マイネーム イズ サゼン タンゲ」でしょうか。

 「古今東西」という言葉がありますが、正しくは、「古今・東西」でしょう。「古今」は時間的経過で、「東西」は空間的距離だからです。「古今」が「歴史」であるなら、「東西」は「風土」です。人名が、「古今」、今と昔で大きく違ってきたように、「東西」、地球上のアッチとコッチでも違っています。先ず、日本なら、人名は姓名です。姓があってあって名がある。私は、三木久雄です。もし欧米なら、名があって姓がある。英語風にいうと、HISAO MIKI です。
 中学校で英語を習うようになって、三木久雄が、HISAO MIKI になることを、ソウイウモンナンダ、と何の抵抗も無く受け入れましたが、考えてみると、これは、大変な違いです。三木久雄と、HISAO MIKI では、まさに正反対なのですから。なぜ人名が真逆なのか。そういう素朴な疑問は、十二分に考えるに値します。もしかすると大事なことに気付くかもしれないのです。
 なぜ、姓と名の順番が、日本人と欧米人で正反対なのか。信憑性に乏しい推測で判断すると、家門が先か、個人が先か、という類推が成り立ちます。日本では個人より家門が、欧米では家門より個人が優先される。家門が優先する日本では家族主義が、個人が優先する欧米では個人主義が発達すると考えられるのではないでしょうか。
 なぜ、日本で家族主義が、欧米で個人主義が発達したのか。それは、日本が、「風土」として、定住型水稲耕作社会であり、欧米が、移動型狩猟牧畜社会であったからでしょう。定住型水稲耕作社会では、最大の収穫は共同作業が順調に行われることで保障され、団体内での協調が最優先されます。移動型狩猟牧畜社会では、最大の収穫は果敢な単独行動でこそ得られるから、個々人の判断、技量が最重要になるのです。「所変われば、品変わる」。「風土」が異なると、名前の呼び方も異なるのです。
三木 久雄
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