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「商鑑」とは造語です。「あきないかがみ」と読みます。「商(あきない)」とは商売で、「鑑(かがみ)」とは鑑(かんが)みる、すなわち考えることなので、「商鑑」とは商売を考えるという意味です。三木 久雄さんが「鏡」に映して歴史を考えるという趣旨で掲載しています。

第26話 天地創造

第26話 天地創造

1214-01.jpg 世界中に残された神話は、なぜか奇妙に共通していたりします。多分、人間の本質は世界中いずこにあっても、さして変わらないからでしょう。

 大化の改新を成し遂げた天智天皇、天武天皇は、かつてない強大な国家権力を樹立しました。その頂点に位する天皇の権威が悠久不変であることを闡明するために、天武天皇は、稗田阿礼(ひえだのあれ)が暗誦していた日本古来の伝承を太安万侶(おおのやすまろ)に記述させ編纂させたのが「古事記」です。「古事記」成立の意図が天皇の地位の称揚であったがゆえに、天皇が日本国におけるの唯一無二の権威であることを万民に知らしめることを目的として書かれています。
 「古事記」は日本の天地開闢(てんちかいびゃく)から始まります。「国産み」、どのように日本国が誕生したかという神話です。神々の最後に「伊邪那岐神(イザナギノカミ)」「伊邪那美神(イザナミノカミ)」が誕生し、天上の「高天原(タカマガハラ)」から地上に「オノゴロ島」を生み出します。「オノゴロ島」に降り立った伊邪那岐神(イザナギノカミ)伊邪那美神(イザナミノカミ)は「天御柱(アメノミハシラ)」を建て、島々や神々を生み出すのです。
 伊邪那岐神(イザナギノカミ)伊邪那美神(イザナミノカミ)は最後に火の神を生み、その火で伊邪那美神(イザナミノカミ)は亡くなってしまいます。嘆き悲しんだ伊邪那岐神(イザナギノカミ)は伊邪那美神(イザナミノカミ)を探し求めて死者の世界である黄泉(ヨミ)の国に行くのですが、変わり果てた伊邪那美神(イザナミノカミ)を見て地上に逃げ帰るのです。妻を亡くした神が死者の国を訪れる話はギリシャ神話のオルフェウスの物語に酷似していて、神話の普遍性に思い至るのです。
三木 久雄
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