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「商鑑」とは造語です。「あきないかがみ」と読みます。「商(あきない)」とは商売で、「鑑(かがみ)」とは鑑(かんが)みる、すなわち考えることなので、「商鑑」とは商売を考えるという意味です。三木 久雄さんが「鏡」に映して歴史を考えるという趣旨で掲載しています。

第3話 バイバイ

第3話 バイバイ

1075-01.jpg 「商鑑(あきないかがみ)」は商売を太古の昔から平成の今にいたるまでの長い長い歴史を遡って考える試みです。なぜ歴史を遡って商売を考えるのか。それは人間が考えることは今も昔も変わらないからです。

 商売が、売り手と買い手との関係の上に成立する、とは、売り手と買い手との間で「売買」が成立する、ということです。では、「売買」とは何か。「売買」を私たちは「うりかい」とも読みますが、普通は「バイバイ」と呼んでいます。「うりかい」は「売買」の「訓読み」で、日本人が本来呼んでいた読み方です。「売買」を「バイバイ」と呼ぶのは、元来、中国の文字である漢字を、中国人の呼び方で読む「音読み」です。「売買」を「バイバイ」と呼ぶ読み方の中に、実に「売買」の本質、すなわち商売の本質が表れているのです。
 お気付きの方もおられるでしょうが、通常、売ることと買うことは、全く正反対の行為であると思われがちですが、「売買」を古来中国で「バイバイ」と呼んでいる、ということは、売ることも買うことも、同じ「バイ」というコトバで呼んでいることにほかならず、売ることと買うことが、実は同じ行為であることを示唆しています。
 「バイ」とは「貝」のことで、古代中国で「貝」が貨幣として使用されていたことに由来します。「買」という漢字は「貝」に「」が載って出来ています。売るという意味の漢字も当初は「買」でした。それは売ることと買うことが同じ行為であると認識されていたからです。しかし次第に売ることと買うことが別の行為であると理解されるようになると、売ることと買うことを区別する必要が生じて、「賣」という漢字が生まれました。「賣」は「売」の本来の漢字で、「買」に「士」が載って出来ています。
三木 久雄
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