2001年4月から12月に、毎日新聞に掲載紹介された元町周辺の歴史や出来事を紹介しています。
街道筋 目を引く「デンシンボー」
明治時代後期の元町通り。かわらぶきの二階家が並ぶ昔ふうの街道筋に、英語の看板やアラビア数字の時計、こうもりがさなど、現代も使われている物品が写っている。中でも目を引くのは等間隔に建てられた電柱だ。当時は「デンシンボー」と呼ばれたという。明治時代後期の元町通り。既に電柱が立ち並んでいる(石戸コレクションから)
神戸に初めて電灯がともったのは1888(明治21)年で、元町通り西側の湊川神社と相生橋にある街灯だった。前年の87(同20)年、元町通6丁目に、東京に次いで全国2番目の電力会社「神戸電燈」の創業事務所が設けられ、栄町通6丁目に火力発電所を置いて営業が始まった。また93(同26)年には逓信省による電話事業も始まっている。明治時代後期の元町通り。既に電柱が立ち並んでいる(石戸コレクションから)
外国人居留地では74(同7)年からガス灯がついていたが、ガスが居留地以外に供給されるのは1901(同34)年からで、一般の市街地では電灯のほうが早かった。電気とガスのシェア争いは後のことになる。明治時代後期の元町通り。既に電柱が立ち並んでいる(石戸コレクションから)
電灯の需要戸数と灯数は、供給を開始した1888(同21)年末は189戸・493灯だったのが、93(同26)年末は597戸・3027灯、97(同30)年末は1169戸・6407灯と増加。神戸の街は次第に明るく照らされるようになっていった。明治時代後期の元町通り。既に電柱が立ち並んでいる(石戸コレクションから)
◆元町点描10回目 2001年4月28日
毎日新聞掲載記事の転載