2001年4月から12月に、毎日新聞に掲載紹介された元町周辺の歴史や出来事を紹介しています。
全国初のアーケード完成
「もはや戦後ではない」と述べたのは、1956(昭和31)年の経済白書。
このころから日本経済は高度成長の時代に入った。
元町商店街では53(同28)年7月、6丁目に全国初のアーケードが完成。
「空を見ながら歩きたい」「ヨーロッパにこんなアーケードはない」など反発もあったが、
雨にぬれず買い物できる便利さを求める声は強く、
約10年で商店街東端の1丁目まで約1・2キロがアーケードに覆われた。
支柱には戦前のすずらん灯をイメージした街灯が取り付けられた。
この時期、元町の東にある三宮が渠ュ展した。65(同40)年、
三宮に地下街「さんちかタウン」がオープン。地下街と阪神、阪求A
JRを結ぶ交通センタービルや、そごう神戸店増築オープンなども続いた。
繁華街だけでなく67(同42)年に摩耶ふ頭にコンテナバースが完成、
81(同56)年に公共ふ頭を持つポートアイランドが完成するなど、港湾機能も東へ。
にぎわいは「東高西低」に流れ始めた。元町は「地盤沈下」脱出に取り組み始めることになる。
当時、元町通2丁目に住んでいた「キリンヤ洋品店」(6丁目)の不破芳子さん
(65)は「おじが営業していた6丁目の店は被害がひどく、
母がおにぎりをたくさん差し入れしたそうです」と話している。
◆元町点描17回目 2001年5月29日
毎日新聞掲載記事の転載