2001年4月から12月に、毎日新聞に掲載紹介された元町周辺の歴史や出来事を紹介しています。
日本商社も次第に頭角
幕末から明治はじめにかけて、貿易は外国商人が一手に引き受ける「居留地貿易」だった。日本側には通関、船の手配、為替など輸出入手続きのノウハウがなく、品物を神戸に集めて居留地の外国商館に納めたり、商館の倉庫に外国製品が届けば引き取って国内で売りさばいた。
貿易取引高は年々上昇し、日本商社も次第に頭角を現した。1897(明治30)年には輸出入合計約1億6000万円のうち、外国商人の取り扱い高は約65%に減少。99(同32)年に居留地が返還され、関税自主権が回復した1911(同44)年には同約40%になっている。
輸出する商品は緑茶や生糸など。1894(同27)年の日清戦争から1904(同37)年の日露戦争のころまでには軽工業が発達し、ャbチや綿糸、しょうのうなども主力となった。
元町にはこれらを扱う商社のほか、1891(同24)年、2丁目に日本初の移民会社が設立された。第1回移民では広島、山口、熊本の計約200人がハワイに出発したという。
◆元町点描11回目 2001年5月8日
毎日新聞掲載記事の転載