2001年4月から12月に、毎日新聞に掲載紹介された元町周辺の歴史や出来事を紹介しています。
戦災復興の象徴『ジュラ街』
1945(昭和20)年5月5日、米軍機B29が6機で神戸を空襲。 墜落した1機から神戸の航空写真が発見され、川西航空機甲南工場が5月11日に攻撃されることが分かった。 人々は米軍が日本の軍需産業を正確に把握していることに驚きながら、 書類や資材を4日間で疎開させ、空襲に備えた。
終戦後、元町商店街にできた「ジュラルミン街」(通称・ジュラ街)は、 このとき同工場から神戸松蔭高等女学校へ疎開させた航空資材、 ジュラルミンの払い下げを受けて出来たもの。 3丁目の店主が共同店舗を建てる際の外装に利用し、 終戦翌年の46(同21)年末には銀色に光るジュラ街が誕生した。 空襲で壊滅的な被害をうけながら、いち早く美しい町並みを取り戻した商店街の復興ぶりは全国的に有名となった。 昭和30年代から店舗の建て直しが始まり、だんだん姿を消したが、 今もその構えを残す店舗もある。
3丁目の紳士服店「ナラヤマ」の奈良山喬一取締役(68)は 「物資不足の中、商店街らしい町並みを再建したい、 と竹中工務店に依頼して実現しました。空襲を受けた商店街としては日本一早い復興だったでしょう。 大変好評でした」と話している。
◆元町点描16回目 2001年5月26日
毎日新聞掲載記事の転載