神戸元町商店街 KOBE MOTOMACHI SHOPPING STREET

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元町、という地名が登場するのは明治七年の五月である。以来、町名の根拠は、はじめにできたまち、もとのまちということになっている。

明治四十四年ころの商店街(一)

明治四十四年ころの商店街(一)

 明治十六年につづいて明治四十四年ころの状況をみよう。
 明治四十四年八月十五日印刷、同日付けで神戸商業会議所書記局が発行した「神戸商工録」から、店の所在地として「元町」と書かれたものを丁別にまとめてみた。
 同書巻頭の「緒言」には、海外貿易の中枢にある神戸港に、適当な商工人名録がないのはさみしい。ある種の「ディレクトリー」あるといえども、その内容豊富でないため編纂することにした、とある。内容は、明治四十四年度営業税三十円以上を神戸市に納める内外商を集めて編纂した、としている。
 同書から、元町通に住所をおく店名・営業主名とその営業種目をひろいだしてみたのがこれから紹介する一覧である。店の住所は「元町通一」又は「元町一」の表現にとどまっているため、「神戸商工録」の紙面から店の立地を確定することはできない。
 一覧化する手順として、店名又は店主名、業種(販売品)の順に表記した。同じ業種の場合は店名又は店主名を「/」印でつないでまとめ、「→」の後に業種(販売品)を表記した。業種(販売品)が二項目以上にわたる場合は、業種(販売品)ごとに「・」で区切っている。また、貿易商の中にも登録された店舗については輸出を「☆」印で、輸入には「★」印を付した。東に位置する丁から紹介していこう。

■元町一丁目
☆★     (株)明治屋神戸支店→洋酒・和洋飲食料品・洋菓子類・洋食器具・装飾品・化粧品類・諸雑貨類
伊東周助/西川卯一→洋酒食料品
西村松之助→洋酒
元町のネルヤ→洋反物及和洋フランネル卸小売商
生島藤藏→メリヤス・西洋雑貨
☆     大和屋支店→洋服用シャツ及カラー・カフス製造
☆     熊澤洋行→綾金巾・縮緬・縞木綿・生金巾及生シーチング・硝子鏡類
☆     瀧波乙馬→絹織物・テーブル掛・刺繍類
☆     井上大吉→緞通・由多加敷物類
上坂萬太郎/松岡與平治→呉服・太物
植田猪之助→足袋・装束
☆     合名会社谷口商店→陶器雑貨貿易商
☆     齋木商店→ランプ其他硝子製品・陶磁器
☆     岡本小一郎/☆加納芳三郎→陶磁器
☆     立野光三→陶器
★     斉木潤吉→硝子器類
★     丸善商店(丸屋七郎)→薬種・医療器・化粧品・写真機・運動具
西村兵次郎→薬種・化粧品・売薬・医療器械
五百藏理一郎→売薬
☆     須田商会神戸支店→コッピー紙・ナプキン・化粧紙・紙類
児玉彦四郎→文房具兼活版・文具
(1丁目店舗つづく)
岩田照彦
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