神戸元町商店街 KOBE MOTOMACHI SHOPPING STREET

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元町、という地名が登場するのは明治七年の五月である。以来、町名の根拠は、はじめにできたまち、もとのまちということになっている。

元町商店街の組織(2)

元町商店街の組織(2)

 前回、大正十五年十一月五日づけ神戸又新日報と、昭和十年十二月十日現在の状況を調べた神戸商工会議所の資料から、神戸元町商店街の組織の発生時を紹介した。
 気になるところを整理しておきたい。
 神戸又新日報が報じる組織の始まりは明治三十四年とある。組織の名前は明らかにしていない。商工会議所の調査によると、最初に組織ができたのは四丁目「元町商友会」の明治三十五年だ。一年ちがいだが、記者の取材にもとづいて記事にした明治三十四年より、商工会議所の表示は存在している組織から得た報告をもとにしていることから、明治三十五年説をとりあげたい。思い違いか、年をまたぐ時期の組織成立で、解釈にちがいがあったのだろう。
 神戸元町商店街組織を成立年順に整理すると、明治三十五年 四丁目(元町商友会) 明治四十年に五丁目(元町商振会)と六丁目(元町商営会)、明治四十五年 三丁目(元町励商会)、大正になって一番街(一二会)と元町通連合会の設立になる。
 明治四十五年は七月までで、八月から大正と改まった年である。三丁目の組織ができたことで、一番街が歩調を合わせ、連合会組織ができることになったのだろう。
 昭和三十三年(一九五八)十一月十日に神戸新聞社が発行した「兵庫県の商店街と商店」によると、元町一・二丁目商店会共同組合(村上与利平/ 九六店舗)、元町三丁目励商会(鳥越静助/六九店舗)、元町四丁目商友会(平尾重一/五六店舗)、元町元五振商会(安宮芳治郎/七三店舗)、元町六丁目商栄会(片山沖次ぎ/五三店舗)と紹介している。
 元町商店街自らが、組織のはじめについて記録にとどめているのは、元町生誕百年を記念して昭和四十六年十月二十日に発行された「こうべ元町一〇〇年」である。
 それによると、元町一・二丁目商店街は、任意団体として昭和二十三年結成した。元町三丁目励商会は戦後の昭和四十年四月再結成され、別途に振興組合も組織、とある。任意団体から法人格をもつ振興組合組織へ衣替えする過程で、ある時期、ふたつの組織が存在したのだろうか。
img_120801.png 元町四丁目商友会は任意団体として昭和三十六年四月一日創立としており、元町五丁目は昭和三十八年六月、振興組合。元町六丁目商店街は任意団体として明治四十二年十一月四日の創立。元町商店街連合会は「戦前から組織化されており、終戦直後に再度結成」とある。
 戦後ばかりかと思えば、六丁目のように戦前の明治四十二年があり一環した記述になっていない。戦後、任意団体として再興され、昭和三十七年五月、小売商業やサービス業などが協同して経済事業を行い地域の環境整備改善を図る事業に必要な組織を定める商店街振興組合法が成立、その時期、五つの任意団体は相前後しながら振興組合に衣替えして現在に至っている。
岩田照彦
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