元町マガジン
元町、という地名が登場するのは明治七年の五月である。以来、町名の根拠は、はじめにできたまち、もとのまちということになっている。
中心になったのはやはり神戸の業者だ。材木関係では、板材を合名会社岡野貞次郎商店から、その他の木材を神戸木材(14)から、セメントの供給者には木村商店がある。建築・土木請負では久世武男のほか大島組とその傘下にある大島組侠友会を名乗る小林英夫の名前が見える。工事の仕上げに登場する室内装飾は辻田商店、北本装飾店が入っている。造園のしつらえは兵庫県下の長尾村に店をおく牡丹園主・坂上新九郎が担当した。花むしろの輸出などにあたる山上商事(14)には、床面にはりめぐらす「うすべり」の手当をしたのだろう。フロアを上下するため三つの階段を用意したが、圧巻は最高級絶対安全を謳い文句にする米国ウオーナーエレベーター会社製のエレベーター四基を備えたことだろう。東洋総代理店のライセンスをもつミドリ商会機械部を通じて購入した。ビル完成時の広告面に神戸瓦斯(14)が登場しているのは、デパート開業を通じて使用拡大をねらったものだろうか。